テオとウェルスナビ、どっちがおすすめ?8つのポイントで徹底比較
ロボアドバイザーのなかでもテオとウェルスナビは利用者も多く、人気です。テオは少額から投資を始めたい方やdocomoユーザー、ウェルスナビはNISA口座を開設して税金対策をとりたい方におすすめです。それぞれの特徴について解説します。
THEO(テオ)とWealthNavi(ウェルスナビ)どっちがおすすめ?
テオとウェルスナビは両方とも人気が高く、どちらもおすすめできるロボアドバイザーです。ただし、両者の特徴はそれぞれ異なります。
自分に合うロボアドバイザーを選ぶためには、テオとウェルスナビ、それぞれの特徴を把握したうえで決めたほうがよいでしょう。
ウェルスナビとは
ウェルスナビは業界最大手のロボアドバイザーでしょう。2021年9月における運用数人数は30万人超で、預かり資産運用者数ロボアドバイザーNo.1(※)です。ウェルスナビは投資一任型のロボアドバイザーにより、リスクを回避しつつ海外ETF(上場投資信託)に自動で分散投資できます。
節税機能と一般NISAを併用可能なので、税金対策をしながら投資をしたい方におすすめです。2021年オリコン顧客満足度調査では、「ロボアドバイザー第1位」を獲得しています。
(※) 一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2021年3月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較 モーニングスター社調べ(2021年6月時点)
THEO+ docomo(テオ)とは
テオプラスドコモは「お金のデザイン社」とNTT docomoの提携によって運営されているロボアドバイザーです。テオプラスドコモの最大の特徴は、dポイントを貯めつつ、投資にも使用できるという点にあります。
また、docomo回線ユーザーはポイントが1.5倍になるなど、docomoユーザーにおすすめのロボアドバイザーです。テオもウェルスナビと同様、海外ETFに分散投資する投資一任型で、投資の知識・経験がない方でも運用が可能です。
2021年の運用者は10万人以上でウェルスナビには及ばないものの、満足度は約90%(自社調べ)と健闘しています。
WealthNavi(ウェルスナビ)とTHEO(テオ)を7つのポイントで比較
ここでは、ウェルスナビとテオの特徴について以下7つのポイントで比較します。
- 手数料
- 運用実績(利回り)
- どのような形式で運用されるのか
- 最低投資額
- 自動つみたて機能の有無
- 投資先
- 節税機能の有無
それでは、各項目について以下で詳しく解説します。
①手数料
テオもウェルスナビも運用手数料は最大で1.1%(税込)です。ただし、どちらも運用資金の金額によって手数料が変動します。
テオの場合、運用資金が1,000万円以上なら手数料は0.715%(税込)です。一方、ウェルスナビでは運用資金が3,000万円以上になると手数料が0.55%(税込)になります。
高額の投資をしない限り、手数料に関してはテオもウェルスナビも変わりません。1,000万以上3,000万円未満を運用する場合はテオが安く、3,000万円以上を運用する場合はウェルスナビのほうが安いです。
②運用実績(利回り)
テオとウェルスナビはポートフォリオの前提が同じではないため、単純に比較することはできません。テオは利回り(年率)、ウェルスナビは運用実績(5年半)を公開しています。
テオの利回りは、2007年~2018年の10年間で試算した結果、年率8.4%でした。一方、ウェルスナビでは、5年半で得られたリターンが最大53.0%という運用実績があります。
ウェルスナビはリスク許容度によりリターンが変動するシステムです。リスク許容度は1~5の5段階で設定されており、リスク許容度3でテオの利回りと同じくらいになります。
③どのような形式で運用されるのか
ロボアドバイザーの形式には「投資一任型」と「助言型」の2種類がありますが、テオもウェルスナビも投資一任型のロボアドバイザーです。
投資一任型とは、投資に関する調整をすべてAIが自動で行う形式で、投資の知識・経験がない方でも利用しやすい反面、投資信託手数料がかかります。
それに対し、助言型はユーザーに合った投資や資産運用をアドバイスをする形式です。助言型ではユーザーが自分で投資を実践する必要がある反面、手数料が無料のサービスもあります。
④最低投資額
テオプラスとウェルスナビにおける最大の違いは最低投資額です。テオプラスは1万円から、ウェルスナビは10万円から投資可能であるため、投資初心者にとってウェルスナビは少しハードルが高いと感じるかもしれません。
ただし、他社との提携がない「テオ」の場合はウェルスナビと同様、最低投資額は10万円からです(2020年4月7日以降に口座開設した場合)。また、ウェルスナビでも自動つみたてであれば最低1万円から投資できます。
⑤自動つみたて機能の有無
自動つみたて機能はテオとウェルスナビのどちらでも利用が可能です。テオのつみたて機能は毎月1回(6日・12日・20日・26日から選択可能)、設定金額(1万円以上1,000円単位/ボーナス月設定可能)が自動でテオ口座に入金できます。
ただし、積立応援プログラムの5,000円プレゼントは既に終了しました。ウェルスナビのつみたて機能には月1回定額コース(6日・12日・20日・26日・末日から選択可能)と月5回定額コースがあります。つみたて金額は1万円以上(ボーナス月設定可能)です。
⑥投資先
テオもウェルスナビも投資先は海外ETFです。ただし、投資できる国や銘柄が少々異なります。
テオは世界86の国・地域で、1万1,000銘柄以上が投資対象。分散投資を徹底することでリスクを抑えています。ウェルスナビの投資先は約50か国・1万1,000銘柄。米国株(VTI)や日欧株(VEA)など、アメリカの上場ETFから厳選した6~7ETFで運用しています。
投資対象となる銘柄数はテオもウェルスナビも変わりませんが、投資先エリアの幅広さでいえばテオのほうがリードしています。
⑦節税機能の有無
テオとウェルスナビの両方とも節税機能があります。ただし、節税機能を利用するためには「特定口座(源泉徴収あり)」への設定が必要です。
THEO Tax Optimizer(テオタックスオプティマイザー)は、独自開発されたアルゴリズムに基づいた税金最適化サービス。取引などで「実現利益」が発生した時には評価損を実現する取引を行って相殺、「実現損失」が発生した時は評価益を実現する取引を行い、税負担を減らします。
ウェルスナビのDeTAX(デタックス)は、税負担が増加すると自動で税負担の一部またはすべてを翌年以降に繰り延べすることで、税負担を最適化する機能です。税負担を減らす具体的な方法はテオと同様で、税負担金額4,000円を目安に繰り延べが実行されます。
THEO(テオ)とWealthNavi(ウェルスナビ)以外のロボアドバイザー5選
テオとウェルスナビの他にも、評判のロボアドバイザーは多数あります。ここでは、人気の高い以下の5つのロボアドバイザーについてもみていきましょう。
- 楽ラップ
- 投信工房
- マネックスアドバイザー
- ROBOPRO
- WealthWing
①楽ラップ
楽ラップは楽天証券が運営する、投資一任型のロボアドバイザーです。運用手数料はコースによって異なり、固定報酬型が最大年率0.715%(税込)、成功報酬併用型が最大年率0.605%(税込)+運用益の5.5%(税込)です。
固定報酬型コースなら1%未満と、他社サービスよりも少し安めです。1万円から投資できます。注意点としては、楽ラップには節税機能やNISA口座対応がありません。
投資対象は海外ETF18銘柄と少ないものの、投資内容の透明性の高さが評価されています。楽天ポイントを投資に使える点は楽天グループならではです。
②投信工房
投信工房は松井証券が運営する助言型のロボアドバイザーです。自分で投資をしなければなりませんが、運用手数料は最大年率0.37%(税込)と、投資一任型とは比べ物にならない低額で利用できます。
最低投資金額も100円と低く設定されているため、「自分で高額を投資するのは自信がないけれど、少額投資を実践しながら投資について学びたい」といった方などにおすすめです。
投信工房に節税機能はありません。NISA口座には対応しています。投資対象は投資信託です。
③マネックスアドバイザー
マネックス証券が運営する助言型のロボアドバイザーです。アドバイスを参考に自分で買い付ける必要はありますが、「スマート積立」を利用すれば、資産配分を最適に保つリバランス(自動調整)効果を期待できます。
運用手数料は0.33%(税込)と低コストで利用可能。最低投資額は5万円、自動積立の最低投資金額は1万円です。マネックスアドバイザーに節税機能はありませんが、NISAやiDecoには対応しています。投資対象は国内外ETFです。
④ROBOPRO
ROBOPRO(ロボプロ)は株式会社フォリオが運営する投資一任型のロボアドバイザー(AI運用サービス)です。
会社設立が2015年12月、ROBOPROのサービス開始が2020年1月15日と歴史は浅いものの、一般的なロボアドバイザーを上回る運用実績を達成しています。
運用手数料は年率1.1%と投資一任型としてはスタンダードですが、運用額が3,000万円を超える部分は年率0.55%の適用対象です。ROBOPROの最低投資金額は10万円で、節税機能やNISA口座には対応していません。投資対象は海外ETFです。
⑤WealthWing
WealthWing(ウェルスウイング)は株式会社スマートプラスが全日本空輸株式会社と提携して運営している投資一任型ロボアドバイザーです。
ANAマイレージクラブ会員なら、運用額の年率0.1%のANAマイル(運用開始後6カ月間は年率1%)が毎月付与されます。運用手数料は月額330円+年率0.99%(税込)です。WealthWingの投資対象が国内現物株(18銘柄)である点は他社にはない特徴でしょう。
THEO(テオ)とWealthNavi(ウェルスナビ)の選び方
テオとウェルスナビ、それぞれ特徴が異なるため、人によってどちらを選べばよいのかも変わってきます。
それでは、テオとウェルスナビがそれぞれ、どのような方におすすめか解説します。
- THEO(テオ)がおすすめな人
- WealthNavi(ウェルスナビ)がおすすめな人
- 両方併用する方法もアリ
THEO(テオ)がおすすめな人
docomoと連携した特典が豊富に提供されるため、docomo回線を契約している方やdカード、dポイントのユーザーにもおすすめです。また、最低投資金額が1万円と低額なため、まずは少額投資から始めたい方にも向いています。
WealthNavi(ウェルスナビ)がおすすめな人
特に、投資一任型ではトップシェアを誇るため、安心して利用できるサービスを選びたい方に向いています。また、最低投資金額である10万円から投資を始めても良いという方や、NISA口座を利用しつつ税金対策を講じたい方にもウェルスナビがおすすめです。
両方併用する方法もアリ
投資家のなかには、テオとウェルスナビの両方を併用している方もいます。どちらが自分に向いているか、使いやすいかは、実際に使ってみないとわからないこともあるでしょう。
投資資金に余裕があれば、両方を体験してみてからどちらを選ぶか、あるいは併用し続けるかを決断する方法もおすすめです。
THEO(テオ)とWealthNavi(ウェルスナビ)を比較検討してみよう
テオとウェルスナビは、どちらも投資一任型・海外ETFの約1万1,000銘柄に分散投資と共通しています。運用手数料は高額投資をしない限り、どちらも最大年率1.1%です。
利回りについては選択するコースにもよりますが、ウェルスナビのリスク許容度3ならテオの利回りとほぼ変わりません。最低投資金額やNISA対応の有無が両者の主な違いです。
また、自動つみたて機能については、テオは月1回コースのみ、ウェルスナビは月1回コースと月5回コースがあります。テオとウェルスナビ、それぞれの特徴を比較したうえで検討してみてはいかがでしょうか。