【2022年6月版】トルコリラ円の今後の見通し|将来性・価格変動を予想
「トルコリラの今後の見通しはどうなる?」結論から言うと、トルコリラは今後上昇する可能性が低いです。
この記事ではトルコリラ円をテクニカル・ファンダメンタルズの面から分析し、ロシア・ウクライナ情勢を踏まえた2022年以降の値動きを予想しています。
トルコリラ円の価格は今後下落する
結論から言うと、今後トルコリラ円の価格は下落する可能性が非常に高いです。
トルコリラはここ10年ほど金利が下がり続けており、その流れが今後も継続するという見通しが強く、目立ったインフレ対策もできていないことから上昇していくシナリオが立てにくいことが理由です。
細かな要因や今後の予想については以下で詳しく解説します。
トルコリラ円の今後の見通しは下降傾向
2022年は政策金利の低下や50%を超えるインフレ率が発表されており、トルコリラが上昇していく要素が今のところ充分にありません。
今までトルコは高金利の新興国通貨としての需要が大きかったのですが、金利が10%低下したことによりトルコリラを買う人は今後更に減っていくとの見通しが強いです。
また、トルコはロシアとウクライナに近く、戦争の影響を国、通貨ともに受けてしまうので、この点もトルコリラが今後伸びにくいと予想される要因です。
現在のトルコリラ円の為替レート
上の画像はトルコリラ円の月足のチャートです。2007年10月の高値以降ずっと下落を続けていることが読み取れます。
急落はありませんがじわじわと下がり続けており、一時100円台に乗せていたトルコリラ円は現在なんと8円台にまで下落しました。
トルコリラ円の2022年の価格予想
ではトルコリラ円は2022年の1年間でどのように価格が動いていくのか、上の4時間足のチャートを見ながら分析していきましょう。
4時間足では、下がりすぎへの反発から少し買われているようにも見えますが、長期で見るとまだまだ下落傾向にあります。9円台に持ち直すなら少し買いを考えてもいいですが、今は上がったら売る戦略がおすすめです。
トルコリラ円の2022年の各証券会社の見通し
トルコリラ円の2022年の各証券会社の見通しをご紹介します。証券会社の見通しは本格的なものが多く、参考になるのでしっかりと確認しておきましょう。
ここでは以下の3社の証券会社の見通しを紹介します。
- 外為どっとコム
- インヴァスト証券
- 三井住友DSアセットマネジメント
①外為どっとコム
外為どっとコムは、2022年のトルコリラ円はトルコの金融政策次第ではありますが横ばいになっていくとの見通しを立てています。
トルコは物価の安定を図るために為替対策としてリラ建て預金に対する補償金や輸出代金の25%をリラで預け入れることを義務化しました。これによりトルコリラの国外流出を防ぎ、インフレを収束させる狙いがあります。
インフレが今後も進むリスクはありますが、トルコ中央銀行が利下げを行わなければトルコリラ円を買ってスワップ金利で利益を出す戦略も考えられるとしています。
引用元:外為どっとコム
トルコの金融政策次第で大きく戦略が変わってくるので、トルコの金融政策には要注目です。
②インヴァスト証券
インヴァスト証券の2022年トルコリラ円予想は、コロナウイルスの影響を無視すると、7~15円幅のレンジに収まるとしています。最低でも6.17円の安値が守られればレンジ相場になるとの予想です。
長期足で見たときに、かなりの安値圏にあるのが現在の状況なので、ここから売りを入れようとするのはあまり得策ではないとしています。
レバレッジは抑えつつ6円台前半まで買い下がってみて、6.17円のラインを割るようならまた新しい戦略を考えていくのが良いという結論を出しています。
引用元:インヴァスト証券
6.17円を割るかどうかが戦略の分かれ目になります。値動きに注意しておきましょう。
③三井住友DSアセットマネジメント
三井住友DSアセットマネジメントの2022年トルコリラ円レポートでは、トルコリラはインフレが落ち着けば上昇の余地があるとされています。
トルコリラがここまでの下落をした要因は、インフレが起こっているのに、利下げを求めるエルドアン大統領の姿勢に問題があると見ています。現政権下ではこの姿勢が続くとみられ、2022年度のトルコリラの上昇は考えにくいとの見方が強いです。
一方でトルコの機械製品製造の発展や、労働世代が若く国の産業の未来が明るいことや戦争が収束していけば上昇の可能性はあることから、トルコリラは再評価される余地があるのでこれからが期待できる通貨としています。
引用元:三井住友DSアセットマネジメント
今年のトルコリラの上昇の可能性は低いですが、より長期的な未来を見据えて注目していきましょう。
トルコリラ円の3つの特徴
そもそもトルコリラ円とはどんな通貨なのか、3つの特徴を解説します。
- スワップ金利が高い
- 流動性が低い
- 金融政策やニュースの影響を受けやすい
①スワップ金利が高い
スワップ金利とは、日本円をトルコリラに替えた際に得られる金利を指しており、日本円は金利が約0%なのに対し、トルコリラは14%なので世界中の通貨の中でもかなり高金利な部類に入ります。
そのため、トルコリラの価格変動を無視すると、日本円をトルコリラに替えれば、元手の14%分のスワップを得られるメリットが特徴的です。
スワップポイントは証券会社によって異なるので、証券会社の比較検討が必要です。
②流動性が低い
トルコリラはドルやユーロのような主要通貨ではなく、あくまでスワップ狙いでの長期保有をされることが多いので通貨としての流動性は低いです。
流動性が低いと価格の上下は起こりにくいので、スワップ狙いでトルコリラを買いたい方にとってはメリットと言えますが、取引量が少ないために暴落時に価格が表示されなくなるといった事態になる可能性もあるので注意が必要です。
③金融政策やニュースの影響を受けやすい
トルコは中東とロシアの中間に位置しているため、政治的な影響を受けやすいです。
また、経済が発展途上なので大胆な金融政策や他国の介入によるトルコリラの暴騰・暴落は起こりやすくなっています。
現在のエルドアン政権はかなりの強権政治で、定石とは異なる政策を打ち出すことも多いので、トルコリラを取り扱う場合には最新ニュースをしっかり追いかける必要があります。
トルコリラ円の価格変動要因3つ
日本円とは異なる特徴を持つトルコリラが変動する要因を3つご紹介します。
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経済政策に関する大統領の発言
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先進国の金融政策発表
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近隣諸国の内戦や紛争の影響
①経済政策に関する大統領の発言
エルドアン大統領は国内の経済成長のため金利の値下げを一貫して主張し続けています。
高い金利は雇用回復や輸出の拡大、ひいては他国からの経済的な独立の邪魔となるとの考えを持っているので、トルコリラの最大のメリットである高金利が失われ、長期的に通貨が下落する恐れもあるのが現状。
エルドアン政権が続く限り経済政策がトルコにとってプラスに働くことは考えにくいですが、2023年に次期大統領選が控えている ためニュースはしっかりと確認しておきましょう。
②先進国の金融政策発表
トルコは他国への輸出業が盛んなので、先進国の経済状況が悪化すればトルコからの輸入が減って、トルコの経済状況にも影響を与える可能性があります。
特にドイツやイギリス、アメリカなどは輸出に占める割合も大きいので、先進国の金融政策についても要チェックです。
③近隣諸国の内戦や紛争の影響
トルコは北にロシア、南にシリア、イラク、イランなどの中東諸国に挟まれる複雑な地理的背景に位置します。
現在トルコの真上にあるロシアがウクライナと戦争状態にあり、南の中東諸国も政情不安定な国が多いので、トルコは周辺国の紛争の影響を受けやすい状況にあります。
トルコリラ円取引におすすめのFX会社3選
では、トルコリラ円取引におすすめなFX会社を3つご紹介します。それぞれの特徴やスワップポイントの比較表も入れているので、自分に合ったFX会社を選んでみましょう。
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GMOクリック証券|取引高世界一であり信頼度が高い
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IG証券|リスクを抑えた取引が可能
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SBI FXトレード|1通貨からトレードができる
①GMOクリック証券|取引高世界一であり信頼度が高い
GMOクリック証券はスプレッドの狭さ、取引ツールの使いやすさから多くのユーザーの支持を受けており、取引高世界一のFX会社です。
取引高世界一なので流動性が低いトルコリラでも安心して取り扱えます。また、以下の表のような高水準のスワップポイントを提供しているので、長期保有にも向いています。
電話でのサポートなら平日の24時間で対応しているので、初心者の方で困った時にすぐ聞けるのも大きなポイント。信頼度もサポートも充実しているGMOクリック証券で口座開設をして取引を始めてみましょう。
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②IG証券|リスクを抑えた取引が可能
IG証券は取引銘柄が多く取引環境が整っているため、世界中のユーザーから愛されているFX会社です。
スプレッドが他のFX会社と比べてかなり狭く、注文が正しく通らない「スリッページ」が起こらない注文方法も用意しているので取引がしやすいです。
トルコリラ円の急激な変動に備えたいという方におすすめの証券会社になります。
スプレッドとは、取引の際にかかる売値と買値の差額のことで、取引手数料のようなものになります。
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③SBI FXトレード|1通貨からトレードができる
SBI FXトレードは大手企業が運営している優良なFX会社で、初心者の方から上級者の方まで幅広くおすすめ。
特に初心者の方は1通貨単位からトレードできるので、デモ口座代わりにリアルトレードの実戦経験を積むこともできるのは大きなメリットです。
SBI FXトレードでは優秀なツールを提供しているスマホアプリもあり、FXをしてみたいけどパソコンが無い方や、出先でもポジションを持ちたい方にもおすすめです。気になった方は早速口座開設から始めてみましょう。
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トルコリラ円取引の3つの注意点
最後にトルコリラ円を取引する際に注意しておきたい3つの注意点について解説します。トルコリラの取引をこれから始める方は確認しておきましょう。
①トルコが経済破綻するリスクがある
トルコは現在深刻なインフレに悩まされており、異例な預金保護策等打ち立てていますが状況に改善は見られなさそう。
その結果トルコリラは歴史的安値圏に低迷し、政権交代や戦争の収束などポジティブな要素が出てこない限りは反転上昇の余地も小さく経済破綻も視野に入れる必要があります。
経済破綻の可能性が高まればトルコリラ円の取引自体が危ないので、ニュースなどをチェックしながら慎重に取引しましょう。
②急激な価格変動に注意
トルコリラは現在値動きが非常に激しくなっています。昨年末は11円台だったところから数か月で8円台に低迷していますし、これから激しい価格変動が起こることも大いに考えられます。
長期的に見て上にも下にも急激に変動する可能性があるので注意して取引していくことがおすすめです。
③スワップ金利が下がる可能性がある
現エルドアン政権は現在の高金利状態をよく思っていません。むしろ高金利状態の脱却が国の経済発展につながると主張しています。
年々金利は引き下げられており、トルコリラ円のスワップポイントはどんどん小さくなっています。今後更にスワップポイントが下がる可能性もあるので、スワップ狙いの方はトルコの金利に注意する必要があります。
トルコリラ円の上昇には懸念材料が多いという見通し
トルコリラ円が上昇していくには様々な要素をクリアする必要があります。今年に関しては、歴史的な安値圏にあるということもあり価格は横に推移する可能性はあるのでスワップ狙いで通貨を保有するのも1つの手です。
これからトルコリラの取引を始めたい方は、トルコの国内情勢に関するポジティブなニュースをいくつか見てからの保有を考えるのがおすすめ。
いつでも取引ができるように口座開設をして、トルコリラの取引を始める準備を完成させておきましょう。
長期足で安値を更新し続けているので、チャートからも今後の上昇は起こりにくいと読み取ることができます。