頭皮が痛いときの原因とは?対処法と病院へ行くべき症状を解説

「頭を洗う際に頭皮が痛い」
「頭皮にピリピリした痛みがある」

頭皮の痛みに関して悩みを抱えている方もいらっしゃるかと思います。頭皮トラブルの症状の様子を確認しにくい部位のひとつで、「そのうち治るだろう」と放置してしまう方が多いです。

しかし、頭皮の症状によっては皮膚疾患などを発症しているケースも考えられます。本記事では、頭皮が痛い時に考えられる原因や頭皮の状況が悪くて痛い時の対処方などについて解説していきます。

頭皮に痛みがあって困っている方や頭皮トラブルを予防したい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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頭皮が痛い時に考えられる原因について

頭皮に痛みが生じる原因は、主に上記の3つが考えられます。

原因によって対処法は異なってくるので、まずは痛みの原因を把握していきましょう。

1.頭皮(皮膚)が荒れているケース

まず、頭皮に痛みがある原因として頭皮(皮膚)が荒れているケースが考えられます。

頭皮が荒れている場合は、皮膚疾患を患っていることが考えられます。皮膚疾患とは、頭皮に痛みやかゆみなどが発生してしまう湿疹のことです。

「皮膚疾患」といっても症状や原因は様々で、皮膚疾患には様々な種類があります。頭部にも発症する可能性がある皮膚疾患を引き起こす病名には以下のものがあげられます。

頭部に発症する可能性がある皮膚疾患

  • 皮膚炎
  • 毛包炎(もうほうえん)
  • 帯状疱疹(たいじょうほうしん)
  • 尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)

主な症状は痛みやかゆみ、赤みを伴うことです。放置してしまうと薄毛や抜け毛につながる可能性があるので注意が必要です。

傾向として風邪や疲れなどで免疫力が低下しているときに発症しやすいです。それぞれの症状の特徴について後述でまとめていますので参考にしてみてください。

2.神経痛が原因で頭皮が痛いケース

次に、神経痛が原因で頭皮が痛みを発症していることが挙げられます。

頭皮の痛みは神経痛によって痛みを感じることもあり、チクチク、ズキズキとした痛みが特徴的で頭や耳の後ろに生じることもあります。

これらは、頭痛、肩こりや眼精疲労を持っている人に起こりやすい痛みで後頭神経痛(頭皮神経痛)を引き起こしていることが考えられます。

後頭神経痛は、頭皮に電気が走るような鋭い痛みが断続的に生じるのが特徴です。スマホやパソコンを使用する時の姿勢の悪さ、肩こりやヘルニアなどが原因とされており、現代の生活様式に深く関わる頭痛のひとつと言えます。

痛み止めを服用すれば一時的に痛みが和らぎ、1週間程度で症状が収まる傾向があります。しかし、痛み止めの服用は抜本改善にはならないので、疲労を蓄積しない方法など普段の生活様式を改善することをおすすめします。

また、痛みが長引いたり症状が悪化したりした場合は、頭痛外来に受診することを検討しましょう。

3.たんこぶなどの外傷が原因で痛いケース

最後に、たんこぶや切り傷などの外傷が原因で頭が痛むケースです。打撲によってたんこぶができた場合、頭が腫れたり熱感のある痛みを伴ったりします。

また、切り傷を負ってしまった場合は、出血やじんじんとした痛みが生じやすいです。切り傷を負った際は、患部を冷やすことや止血をするなどの対処を行いましょう。

頭をぶつけたり切ったりすることによって頭皮の痛みが発症した場合、脳に大きなダメージを与えている可能性があるため、外傷を負って24時間程度は、嘔吐や頭痛などの異常がみられないか経過観察をするようにしてください。

もし、嘔吐や吐き気の症状が発症したり、違和感があるなど異常を検知したりした際は、脳神経外科を受診するようにしましょう。

頭皮(皮膚)の状況が悪くて痛い時の対処方法を解説

頭皮が痛む原因については、理解できたかと思います。では、「頭皮の痛みを対処するにはどうすればいいのか?」と疑問を持つ方もおられるかと思います。

原因にもよりますが頭皮の痛みは、日常生活において頭皮ケアを意識することで予防が可能です。

ここでは、頭皮の状況が悪くて痛い時の対処方法について解説していきます。

1.洗髪方法を見直す

まず、頭皮(皮膚)が痛い時の対処方法として、洗髪方法を見直すことをおすすめします。

正しい方法で洗髪をすることで頭皮トラブルの予防・改善につなげることができるためです。

正しい洗髪方法は以下の通りです。

正しい洗髪方法

  • 予洗い:ぬるま湯で予洗いをする
  • シャンプー:シャンプーを泡立てたら、指の腹を頭皮にあてて刺激を与えず洗う
  • すすぎ:すすぎ残しがないように注意しながら、ぬるま湯(約38度)でシャンプーを洗い流す
  • タオルドライ:乾きやすいようタオルドライをしっかり丁寧に行う
  • ドライヤー:水分が残らないようしっかり乾かす

洗髪をする際、頭皮をゴシゴシと強く洗う人も多いと思いますが、頭皮を優しく洗いしっかりすすぐことが重要です。

頭皮には毛細血管が多くあります。そのため、マッサージするように優しく洗うことで血行を促進し髪の毛の成長に必要な栄養を頭皮に届けやすくなります。

髪の毛を洗う際は、上記の点を意識することに専念してみてください。

2.使用しているシャンプーを見直す

使用しているシャンプーを見直すことも、頭皮の痛みを抑えるのに有効な手段と言えます。

自身にあわないシャンプーや洗浄力の強いシャンプーを使うことで頭皮の炎症が悪化してしまうことにもなりかねません。

そして、シャンプーの種類は主に以下の3種類に分けることができます。

  • アルコール系シャンプー
  • 石鹸系シャンプー
  • アミノ酸系シャンプー

アルコール系シャンプーと石鹸系シャンプーは洗浄力が強いことが特徴です。しかし、洗浄力が強い分必要な皮脂まで洗い流してしまうこともあります。

アミノ酸系シャンプーは洗浄力が弱く他の2種類と比較すると劣りますが、低刺激なので頭皮や髪の毛に優しい成分で作られています。

そのため、頭皮トラブルがある場合は、低刺激性のアミノ酸系シャンプーを利用することをおすすめします。

他にも、シャンプーに配合されている成分も重要な要素となるので確認しておきましょう。

成分効果・効能
イソプロピルメチルフェノール頭皮の嫌な匂い・異臭を抑える
ピロクトンオラミン頭皮の抗菌効果、殺菌・防腐作用がある
グリチルリチン酸2K頭皮の炎症やアレルギーを抑える
サリチル酸頭皮の抗菌作用・防腐作用がある
ミコナゾール硝酸塩フケやかゆみの原因菌の繁殖を抑える

シャンプーに含まれる成分は種類が豊富にあります。頭皮の痛みに悩む方であれは、炎症していることが考えられるのでグリチルリチン酸2Kを含んだシャンプーを選ぶことで、痛みを緩和してくれるでしょう。

シャンプーを選ぶ際は、自身の頭皮の状態にあった成分が含まれたシャンプーを選ぶようにしましょう。

3.ドライヤー方法を見直す

次に、紹介するのがドライヤーの仕方を見直す方法です。

ドライヤーで髪の毛を乾かすことで、頭皮の乾燥を予防できる、髪質が改善するなど頭皮の状態を健康に保つために様々なメリットがあります。

誤ったドライヤーの仕方は頭皮の乾燥状態を招くなどトラブルの原因になります。正しいドライヤーの仕方について確認していきましょう。

ドライヤーの正しい仕方

  • タオルドライで水分をしっかり取る
  • 根本から毛先の順で乾かす
  • 9割乾いたら冷風に切り替える

髪の毛を自然乾燥させると、雑菌が繁殖し頭皮環境の悪化につながりかねません。そのため、洗髪後にはドライヤーを使うのが大切です。

まず、髪の毛をドライヤーで乾かす際は、タオルドライでしっかり水分を拭き取りましょう。

そして、髪の毛で一番乾きにくいのが根本の部分なので注意が必要です。毛先にだけドライヤーを当てて、髪の毛を乾かしたつもりでいると、濡れたままの根本はダメージを受けてしまいます。

ドライヤーを髪の毛の根本から乾かすことは、髪を乾かす上で基本なので、ぜひ覚えておいてください。

最後に9割ほど髪が乾いたら冷風に切り替えて乾かします。髪の毛が熱を持ったままだと、髪の毛が乾きすぎて逆に傷んでしまいます。冷風で熱を飛ばすことでキレイなツヤ感のある髪の毛をキープすることが可能です。

4.生活習慣や食生活を見直す

頭皮の痛みの対策を講じる上で普段の生活習慣を見直すことは重要です。

例えば、食生活においては、ビタミンB2やB6を含んだ食事を摂ることをおすすめします。

ビタミンB2は皮脂のバランスを整える、皮膚や粘膜の健康の状態をキープする働きがあり、ビタミンB6は皮膚の代謝のリズムを改善する働きなど頭皮の健康をよくするための様々な働きがあります。

どちらも、普段の食事から簡単に摂取できる栄養素なので、積極的に取り入れてみてください。

ビタミンB2が多く含まれる食材・豚レバー
・鶏レバー
・牛レバー
・うなぎ
・牛乳
ビタミンB6が多く含まれる食材・カツオ
・マグロ
・サンマ
・バナナ

また、食生活だけでなく、睡眠時間を十分に確保することは、頭皮環境を良くする上で重要です。睡眠不足で生活習慣が乱れてしまうと頭皮の代謝が乱れ頭皮の痛みを悪化させる原因にもなります。

頭皮の状態を乱さないためにも、睡眠時間をしっかり確保し質の高い睡眠が取れるように心がけましょう。良質な睡眠をすることで頭皮環境を整え痛みも緩和できることに期待ができます。

5.頭皮に負担のかかる髪型を控える

最後に、頭皮に負担のかかる髪型を控える方法を紹介します。

日々の生活において、髪の毛をセットする方は多いでしょう。そして、髪の毛をセットする際にヘアワックスやスプレーを利用するかと思います。

ヘアワックスには、合成界面活性剤という成分が含まれており、この成分は髪の材料となるたんぱく質を変形させる作用があります。そのため、ヘアワックスを長時間つける、量をたくさんつけてしまうと頭皮環境を悪化させてしまう可能性があります。

髪の毛をセットする際は、ワックスをたくさん必要とする髪型を控えたり、頭皮にワックスがつかないよう毛先につけたりするようにするなどの工夫が必要です。

また、合成界面活性剤が気になる方はホホバ種子油やシアバターなど天然由来成分を配合したワックスを選ぶとよいでしょう。

頭皮に炎症があって痛い場合は皮膚科の受診がおすすめ

前述で、頭部に発症する可能性がある皮膚疾患について紹介しました。

ここでは、それぞれの皮膚疾患の特徴についてまとめていますので、これらの症状が当てはまる方や皮膚疾患の症状が見受けられる場合は、皮膚科で受診することをおすすめします。

皮膚炎

皮膚炎は、かゆみを伴う赤い発疹を引き起こす病気です。皮膚炎を発症すると、かゆみだけでなくヒリヒリとした痛みなどの炎症が生じます。時には、水疱やただれ、かさぶたなど様々な症状が発症します。

また、皮膚炎は「脂漏性皮膚炎」「アトピー性皮膚炎」など種類もたくさんあります。皮膚炎の原因は主にストレスや外部からの刺激によって起こるとされています。

皮膚炎を治すには、まずは原因を突き止めることが重要なのですぐに皮膚科などの病院で診断することをおすすめします。

毛包炎(もうほうえん)

毛包炎(もうほうえん)は、毛包と呼ばれる毛穴の奥の部分に炎症が起こり、軽い痛みを伴うのが特徴です。

毛包炎が悪化すると、強い痛みや圧痛、熱感のある痛みがでるので早めに対処することが重要です。かき傷や切り傷などから皮膚に細菌が入り込むことで発症するので、頭皮を清潔に保ち、頭皮を激しく触ることは避けるようにしましょう。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

帯状疱疹は、ウイルス性の皮膚疾患です。症状には個人差がありますが、ピリピリとした痛みや焼けるような痛みなど痛みの種類が様々です。症状が悪化すると、水ぶくれを伴う赤い発疹が帯状に発症します。

日本人の多くの方が帯状疱疹の原因であるウイルスを持っているとされており、疲労やストレス、体調不良など免疫力が下がった時に発症しやすくなります。

帯状疱疹が悪化すると痛みが強くなる傾向があるので、普段の日常生活にも影響を及ぼすこともあります。そのため、帯状疱疹が疑われる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)

尋常性ざ瘡は、いわゆるニキビのことです。尋常性ざ瘡は、皮脂や汚れが毛穴の中にたまることで起こる皮膚の炎症です。炎症が悪化すると、小さな発疹ができる、痛みや赤みを伴ったり、膿をもったりします。

ストレスや睡眠不足、不適切なスキンケア、肌の乾燥などがニキビの原因とされています。そのため、不規則な生活習慣や食生活を見直すことや適切なヘアケアを行い頭皮を清潔に保つことが大切です。

適切なヘアケアの方法については、前述で紹介した「頭皮(皮膚)の状況が悪くて痛い時の対処方法を解説」を参考にしてみてください。

神経痛や外傷が原因の場合は病院への受診がおすすめ

突発的な痛みを感じる場合や頭を強く打撲してしまった場合は、脳神経外科を受診することをおすすめします。

前述でも紹介しましたが、突発的な痛みを感じる場合は、後頭神経痛(頭皮神経痛)を発症していることが考えられ、頭を強く打撲してしまった場合も脳にダメージを負っている可能性があります。

脳神経外科では、診断の際に画像検査や血液検査を行い、神経の周りにブロック注射をすることや鎮痛剤を処方するといった治療が行われます。

この治療は、即効性が期待できるので今すぐに痛みを緩和したい方は、脳神経外科に受診しましょう。

まとめ

本記事では、頭皮が痛い時に考えられる原因や頭皮の状況が悪くて痛い時の対処方などについて解説してきました。

頭皮が痛みは、「皮膚疾患」や「外傷」など種類によって痛み方は異なってきます。頭部はさまざまな神経が集中する大事な部位なので、個人の勝手な判断で処置をすることは避けましょう。

また、頭部や頭皮の痛みの症状や痛み方によって受診する医療機関も変わってくるので注意が必要です。適切な医療機関を受診し、原因に応じた処置を受けるようにしましょう。

痛みを放置することで、抜け毛が増える、病気が進行するなどのトラブルにつながりかねないので、なるべく早く相談をしましょう。自分の頭の痛みがどの種類に該当するかわからない方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。