アフターピルの避妊効果の仕組みを解説!アフターピルに関する気になる疑問を解決!

ライフスタイルの変化にともない、緊急避妊薬アフターピルの需要が高まりつつあります。

アフターピルは予期せぬ妊娠リスクに対処する手段として使用されていますが、適切に使用しなければ十分な避妊効果を発揮できません。

服用の際は正しい知識を持ち、正確に使用する必要があるでしょう。

そこで本記事では、アフターピルで避妊できる仕組みや使用方法、注意点などを解説します。

アフターピルの種類や副作用の可能性についても言及しているため、これから服用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

アフターピルの適切な使用方法や効果を理解して、予期せぬ妊娠を防ぎましょう。

目次

アフターピルの避妊効果の仕組み

アフターピルで避妊できる主な仕組みは次のとおりです。

  • 排卵を抑制させる
  • 排卵を遅延させる
  • 受精卵の着床を防ぐ

排卵を抑制させる

アフターピルに含まれる有効成分のエストロゲンがホルモンバランスに影響し、卵胞刺激ホルモンFSHの放出を阻害して排卵を抑制します。

薬の服用で卵胞の成熟と排卵が抑制された結果、受精卵形成の可能性が低下します

排卵は女性の卵巣から成熟した卵子が放出される生理的な現象です。

排卵の抑制により精子と卵子の接触機会が減少するため、妊娠リスクが低くなるのです。

排卵前にアフターピルを服用できれば、妊娠の可能性は限りなく低くなるでしょう。

排卵を遅延させる

アフターピルは、排卵のタイミングを遅らせる効果もあります。

通常排卵は女性の月経周期により、特定のタイミングで起こるものです。

しかしアフターピルの成分がホルモン放出を調整するため、排卵のタイミングを遅らせられます

これにより性行為後の精子と卵子の接触確率が減少するため、受精リスクを下げられます。

受精卵の着床を防ぐ

アフターピルの成分が子宮内膜の状態に影響することも、避妊できる仕組みの一つです。

通常であれば排卵期に向けて子宮内膜の厚みが増し、受精卵が着床しやすい状態に整えます。

そして環境が整った子宮内膜に着床することで受精卵が成長をはじめます。

アフターピルの作用により子宮内膜の厚みがなくなるため、受精卵の着床や成長を妨げられるのです

アフターピルの服用方法

アフターピルの効果を最大限に引き出す服用方法のポイントは次のとおりです。

  • 避妊失敗後早期服用する
  • 軽食後に服用する
  • 制吐剤と一緒に服用する

各項目を詳しく説明します。

避妊失敗後早期服用する

アフターピルを効果的に活用するためには、性行為後できるだけ早く服用しましょう。

性行為後の経過時間が長くなるほど、妊娠の可能性が高まります。

避妊効果が高いのは性行為後24時間以内とされていますが、72時間以内であれば避妊効果が期待できるでしょう。

避妊に失敗した場合は、アフターピルを使用し素早く対処することで妊娠のリスクを最小限に抑えられます。

軽食後に服用する

アフターピルは、軽食を摂った後の服用が推奨されています。

その理由は軽食により胃への刺激が緩和され、薬の吸収が効率的におこなわれるためです。

その際脂肪分の多い食事は避けてください。

脂肪分の多い食事は胃に長く留まるため、薬の吸収を遅らせる可能性があります。

適切な軽食を摂り胃の状態を整え、アフターピルの成分の安定性を確保することで、避妊効果を高められるでしょう。

制吐剤と一緒に服用する

アフターピルの服用後に吐き気や嘔吐が起こる場合、制吐剤の使用を検討しましょう。

制吐剤は胃への刺激を和らげ、薬を服用後の不快な症状を軽減します。

ただし自己判断で制吐剤を使用するのは避けてください

制吐剤は医師と相談したうえで、適切に服用する必要があります。

アフターピルの副作用

アフターピルの服用による次のような副作用が生じる可能性があります。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 腹痛
  • 下痢
  • 乳房の張り
  • 眠気
  • 出血

頭痛

体内で急激にホルモンバランスが変化することが、頭痛の原因として考えられます。

アフターピルが原因となる頭痛の症状は比較的軽度な場合が多く、薬の服用後数時間程度で自然に収束するでしょう。

痛みの程度や持続時間には個人差があるものの、多くの場合一時的な症状です

人により頭痛のほかに、頭部のだるさや緊張感を感じるケースも見られます。

 吐き気

アフターピルの成分が胃に刺激を与えることで、吐き気が引き起こされる可能性があります。

胃への刺激により吐き気や嘔吐の症状がみられることもありますが、薬の影響がなくなるとともに症状も緩和されるでしょう。

アフターピルによる吐き気とは別に、胃の不快感を感じる方もいます。

多くの場合、薬を服用して数時間から数日で症状が治まります

腹痛

アフターピルの服用により、子宮や腹部への一時的な影響が生じます。

これにより子宮や腹部全体に鈍い痛みや違和感を感じることがあるでしょう。

痛みや違和感の原因は、アフターピルに含まれる成分がホルモンに影響を与え、子宮内膜の状態を変化させるためです。

腹痛は通常、服用後数時間から数日で自然に収束します。

薬の影響による腹痛は比較的軽度な場合が多いため、痛みが強かったり何日も痛みが治まらなかったりする場合は、医療機関を受診しましょう。

下痢

アフターピルの副作用による下痢は、薬の成分が腸の動きを活発化することに起因します。

薬の成分が消化器官に影響を及ぼし腸の運動を促進するため、腸内の食物や水分の通過が速くなり、下痢が引き起こされる可能性があるでしょう。

水っぽい便や腹部の不快感を感じることもありますが、通常は短期間で収束します。

乳房の張り

アフターピルに含まれるホルモン成分により、乳房の張りを引き起こすことがあるでしょう。

これはプロゲステロンなどの女性ホルモンの影響で、乳房の組織が膨張するためです。

アフターピルの副作用で乳房が張る場合、触れると痛みや違和感を感じます。

個人差があるものの、多くの場合は数日程度で症状が治まるでしょう。

眠気

アフターピルの副作用により、眠気を引き起こす可能性があります。

これは薬の服用によるホルモンバランスの変化や、神経伝達物質の影響によるものです。

またアフターピルの服用後に体内で起きる変化が、一時的なエネルギー低下につながることで眠気を感じることもあります。

眠気のほかに集中力が低下して注意力散漫になる可能性もあるでしょう。

注意力が必要な仕事や車の運転をする前の服用は避けてください。

出血

アフターピルの成分が子宮内膜に作用することで、出血を引き起こす場合があります。

これはアフターピルの影響で子宮内膜が剥がれることにより起こります

薬の副作用による出血は通常月経とは異なり、出血量が少なく期間が短いことが多いでしょう。

出血の程度や期間には個人差がありますが、一般的には服用後数日程度で出血は収まります。

アフターピルの種類

アフターピルは、大きく分けて次の3種類があります。

  • ヤッペ法
  • レボノルゲストレル法
  • ウリプリスタール法

それぞれの特徴や違いを紹介します。

ヤッペ法

ヤッペ法とは、中用量ピルを使った避妊法です。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンを含むプラノバールRを、性行為後72時間以内に2錠服用して、さらにその12時間後に2錠服用します

ヤッペ法は妊娠阻止率約60%で、薬の服用タイミングが早いほど避妊効果が高まります。

性行為がおこなわれてからできるだけ早く服用しましょう。

一時的な副作用として吐き気や嘔吐、不正出血、頭痛などがあるものの、その多くは24時間程度で改善されます。

嘔吐の心配がある方には吐き気を緩和する薬の処方も可能です。

受診した医療機関で相談しましょう。

レボノルゲストレル法

レボノルゲストレル法は性行為後72時間以内に、緊急避妊専用の薬であるレボノルゲストレルを1錠服用する方法です。

疑似的に体が妊娠したような状態にすることで、排卵を妨げ妊娠を防ぎます。

レボノルゲストレル法は妊娠阻止率約95%と高く、1回の服用で十分な避妊効果が期待できるでしょう。

ヤッペ法と比べて副作用が少ないのも特徴の一つです。

吐き気や腹痛などの副作用が心配な方は、レボノルゲストレル法による避妊が適しています。

ウリプリスタール法

ウリプリスタール法は、ウリプリスタール酢酸エステルが主成分となったエラワンというアフターピルを使用する避妊方法です。

エラワンを使用する際は、性行為後120時間以内に1回1錠服用します。

性行為から72時間以内の服用では避妊成功率が95%、120時間以内の服用では85%となります。

エラワンは海外のクリニックで一般的に取り扱われている薬です。

安全性も保障されている薬ですが、日本国内では未承認であり保険は適用されません。

自由診療で処方できる場合もあるため、医療機関に確認してみましょう。

アフターピルの購入方法

アフターピルは医療機関で処方してもらう方法と、オンライン診療で処方してもらう方法があります。

それぞれの購入方法について詳しく解説します。

医療機関で処方してもらう

アフターピルは、医療機関で処方してもらう方法が一般的です。

妊娠のリスクや健康状態を確認したうえで、医師が必要な場合に適切な処方をおこないます。

医師の指導に従い正しい用法と用量を守ることで、アフターピルの避妊効果を得られるでしょう

医療機関での処方は、適切な健康管理とプライバシーの保護を両立させます。

オンライン診療で処方してもらう

一部の医療機関や専門のWebサイトでは、オンラインで医師の診察を受けアフターピルの処方を受けられます。

スマートフォンやパソコンがあれば診察を受けられる手軽さがオンライン診療の魅力でしょう。

オンライン診療でアフターピルの処方を受ける際は、安全性と信頼性を確保するために正規の医療機関や公式のWebサイトを選びましょう。

手軽さが魅力のオンライン診療ですが、薬の服用は医師の指導に従いましょう。

薬局・ドラッグストアでは購入不可

一般的な薬局やドラッグストアでは、アフターピルを購入できません。

アフターピルは医師の処方が必要であり、医療機関やオンライン診療を通じて購入する必要があります

健康面や安全面を考慮して、適切な手続きを踏み購入しましょう。

アフターピルに関するよくある質問

アフターピルの使用に関してよくある質問とその回答を紹介します。

これからアフターピルを使用する方はぜひ参考にしてみてください。

服用後にいつから性行為ができる?

アフターピル服用後は、基本的に次の生理が来るまで性行為を控えてください。

アフターピルの効果により5~7日ほどは排卵が抑制されるものの、そのあとは排卵が起こる可能性があります。

排卵が起きたタイミングで性行為をした場合、妊娠のリスクが高まるため、次の生理がきて妊娠していないことが確定するまでは、性行為を控えましょう

もし次の生理がくる前に性行為をする場合は、適切な避妊を心がけてください。

服用後にお酒を飲むことはできる?

アフターピル服用後は、少なくとも24時間は飲酒を控えましょう。

アフターピルの服用前後に飲酒すると、薬の代謝に影響する可能性があります

アルコールの摂取より、嘔吐や腹痛などの副作用が強くなるリスクが高くなります。

同様の理由で、炭酸飲料やアルコールなどで薬を摂取するのも避けてください。

薬の作用、副作用のリスクを考慮して、水以外の飲み物で薬を服用しないよう注意しましょう。

服用後にタバコを吸うことはできる?

アフターピルの服用前後にタバコを吸うことに関して、医療的な制約はありません。

喫煙によりアフターピルの効果が変わることはないと考えられています

ただし喫煙は健康に対して、さまざまなリスクをもたらすことが知られています。

アフターピル効果に影響はないものの、できれば喫煙を控えた方がよいでしょう。

服用後何日で生理がくる?

アフターピルを服用した後の生理周期は、通常よりも早くなるか遅くなる傾向があります。

一般的な目安として、アフターピルを服用してから約3週間以内に次の生理がくることが多いようです

ただし次の生理がくるタイミングは個人の体質により異なるため、予測は難しいでしょう。

目安期間の3週間を過ぎても整理が来ない場合は、妊娠の可能性を確認するために妊娠検査をおこなうことをおすすめします。

未成年でも処方してもらえる?

アフターピルは未成年でも処方可能です。

アフターピルの処方には医師の診療が必要ですが、受診するために保護者の同意書や同席は基本的に必要ありません

また保険証の提示がなくても医師の診察は受けられるため、保護者にばれる心配もないでしょう。

保険証を提示できない場合は全額自己負担となりますが、アフターピルの処方を受けることは可能です。

ただし医療機関の方針により、保護者の同意書が必要だったり年齢制限を設けていたりすることがあります。

医療機関により対応が異なるため、診察を受ける医療機関に確認しましょう。

性感染症の予防効果はある?

アフターピルは、性行為後の妊娠リスクを低減するための薬であり、性感染症の予防効果はありません

避妊をせずに性行為をおこなった場合は、妊娠リスクのほかに性感染症感染リスクも考えられるでしょう。

医療機関を受診する際は、アフターピルの処方以外に性感染症の検査をおこなうことをおすすめします。

性感染症予防のためにも、コンドームの使用やパートナーの健康状態の確認をおこないましょう。

服用したのに妊娠する可能性はある?

アフターピルを服用しても妊娠する可能性はあります。

アフターピルは排卵を抑制することで妊娠を防ぐため、排卵前に服用した場合は避妊効果が高いでしょう。

しかし100%の避妊を保障するものではありません

またアフターピル服用のタイミングにより、避妊効果の確率が異なります。

性行為からの時間が短いほど避妊効果が高く、時間が経過するほど避妊率が下がります。

アフターピルを服用しても妊娠の可能性はゼロではないため、避妊の成功を確認するまでは性行為を控えましょう。

まとめ

アフターピルは予期せぬ妊娠を防ぐために役立つ避妊方法です。

避妊効果を最大限に活かすためには、避妊の仕組みや服用方法の正しい理解が欠かせません。

吐き気や腹痛などの症状が副作用として現れることもありますが、多くは短期的な症状です。

アフターピルは性行為後できるだけ早いタイミングで服用することで、避妊効果も高まります。

使用する際は、医師の指導に従い適切に服用してください。

アフターピルに性感染症の予防効果はないため、基本的にはコンドームを使用し避妊します。

それでも避妊に失敗した場合の対処法として、アフターピルの仕組みや正しい服用方法を覚えておきましょう

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