AGA治療で「初期脱毛」が起こる仕組みと原因を解説

AGA治療を受けるにあたっては、最初の段階で「初期脱毛」という副作用なものがようなものが発生します。

これを知らずにAGA治療を受けた場合、髪の毛が抜けだして「逆効果なのではないか」と心配になったりすることも多いと思います。

これはAGA治療においてほとんどの方が経験することですし、むしろ薬が効いている証なので気にする事はありません。

しかし、心配になることも多いと思うので、この記事ではメカニズムなどについてご紹介していきます。AGA治療における初期脱毛とはどのようなものなのでしょうか…?

著者情報 内田純平hair-care編集部
内田 純平
30代前半の頃から薄毛に悩み、さまざまなAGAクリニックを調査しました。実際に飲み薬や育毛剤だけに限らずメソセラピーやHARG療法などの治療方法を試し、一時期は植毛まで考えました。が、無事に復活できました。その経験を活かしてAGAに悩むの皆さんのサポートをしていきたいと考えています。

AGA治療における「初期脱毛」とは?

初期脱毛について知るためにヘアサイクルの仕組みやAGA治療がヘアサイクルに与える影響、などについてご紹介していきたいと思います。

ヘアサイクルの仕組みについて知っておけば、初期脱毛も怖くありません。

ヘアサイクルの仕組みについて

初期脱毛はAGA治療の初期に起こります。その名の通り、治療開始した初期の段階で抜け毛が増えてしまう症状のことであり、薄毛治療を受けたことのあるほとんどの方が経験する症状です。

せっかく髪の毛を増やすためにAGA治療を受け始めたのに、逆に髪の毛が減り始めたと気づいた方はかなり不安になるでしょうし、AGA治療をやめたくなるでしょう。

しかし、初期脱毛には髪の成長サイクルであるヘアサイクルというものが大きく影響しています。人間の頭部にある髪の毛はずっと同じものがあるわけではありません。

生まれて成長して、脱毛することを繰り返しており、これをヘアサイクルと呼びます。

ヘアサイクルは髪の毛が成長する「成長期」と髪の毛の成長が止まる「退行期」そして髪の毛が育ちを抜けるのを待つ段階の休止期の3つに分けられます。

薄毛の原因として、ヘアサイクルが乱れることで成長期が短くなり、髪の毛が健康に育てられないことが挙げられます。

薄毛治療を行うと、乱れてしまったヘアサイクルを整えるように働きかけるので、初期脱毛の症状が現れます。

AGA治療薬の作用でヘアサイクルが早まる

初期脱毛にもミノキシジルによる初期脱毛と、デュタステリドやフィナステリドによる初期脱毛の2種類があります。

まずミノキシジルによる初期脱毛です。

ミノキシジルは発毛を促進する物として主に外用薬で利用されている薬で、休止期の髪の毛を成長期へと移行させたり、成長期を長くしたりするのはもちろんのこと、血管を拡張する作用もあるので髪の毛に栄養を運び、髪の毛の成長を促進するとされています。

ミノキシジルの使用でヘアサイクルが整うと、元々生えていた細い髪の毛は新しく生え始めた太くてしっかりとした髪の毛に押し出されて抜けてしまうので、初期脱毛が発生するのです。

一方でフィナステリドやデュタステリドは5αリアクターゼという還元酵素の働きを抑制します。

5αリアクターゼはⅠ型とⅡ型というものが存在し、両方とも「テストステロン」という男性ホルモンに作用することで、AGAの原因とされるジヒドロテストステロンというものを生み出します。

つまり5αリアクターゼの働きを抑制することでAGAを防ぐことができるのです。

フィナステリドやデュタステリドの効果で5αリアクターゼの働きを抑制し、抜け毛を抑えるためにヘアサイクルが整うと、乱れたヘアサイクルを正常にセットする際にそれまでに生えていた髪の毛が抜けます。

また、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルを使用したAGA治療において初期脱毛を感じない方もいます。

これはどういうことかというと、もともと初期脱毛において抜ける髪の毛は細くて短い毛なので、そこまで抜け毛に気づかないという場合もあるのです。

また、初期脱毛が起こらなかったとしても発毛効果がまったくないというわけではありません。

ヘアサイクルの仕組みですが、基本的に成長期は長いもので2年から6年、退行期は毛球が縮小するもので、2週間ほどです。休止期は抜け落ちるまでの期間で、3〜4ヶ月あるとされています。

これがおよそ一生で15回繰り返されるというのがヘアサイクルなのですが、ヘアサイクルには回数の制限があります。

回数は無限ではなく、一定の回数を超えると毛根から髪が生えてこなくなり、髪が薄くなってきます。

ヘアサイクルの回数には個人差があり、少ない人もいれば多い人もいますし、期間が長い方は100年以上サイクルが続きますが、短いと30年で寿命が起きてしまいます。

AGA治療は基本的に完全にヘアサイクルが完全に終了してしまった髪の毛には効果がないので、ヘアサイクルが機能しているうちに、早い段階から対処するようにしましょう。

初期脱毛は薬が効いている証|気にせず治療を続けよう

初期脱毛は薬が効いている証拠です。確かに髪の毛が減ってきたということで、治療を中止したくなるでしょうが、ここはぐっとこらえてAGA治療を続けましょう。

基本的にフィナステリドやデュタステリドのような内服薬の方が効果が高い傾向にある一方で、髪の毛も初期脱毛の症状も起こりやすいのですが、外用薬としてミノキシジルを用いた場合でも初期脱毛が発生する場合もあります。

日本皮膚科学会でも下記のような論文があるように、ミノキシジル外用薬の利用においても初期脱毛が見られることがあるため、しっかりとそれを把握した上で利用を開始するようにしましょう。

一方で,男女ともにミノキシジル外用初期に休止期脱毛がみられることがあり,これが外用中止につながる恐れがあるため,患者への説明が必要である67).

引用:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」より

初期脱毛が起こり始めると、いくら薬が効いている証だとわかっていても、不安になると思います。

1日でも早く終わって欲しいと思うでしょうし、「もう生えてこないのでは」と不安になる方も多いでしょう。

不安な方は、医師に相談してみたり、「あとどのくらいで終わるか」なども聞いてみましょう。

AGA治療の初期脱毛はどれくらいの期間継続する?

では初期脱毛がどのくらいの期間続くかについて考えてみると、基本的にヘアサイクルが正常に戻ろうとする作用で起こるものであるため、すぐに治るというわけでありません。

初期脱毛は治療開始から10日から2か月後くらいに発生する方が多く、それから3ヶ月ほど続くのが一般的であると言われています。

初期脱毛は基本的にずっと髪の毛が抜け続けるというわけでなく、抜け毛が増えたり減ったりを繰り返し、その後抜け毛の量が落ち着いてくるというケースが多いので、こちらについても頭の片隅に置いておきましょう。

初期脱毛が起こりやすいAGA治療薬について

AGA治療薬によって利用の目的や副作用などが異なるように、初期脱毛の起こりやすさも大きく異なってきます。

基本的にAGAクリニックで処方される薬はフィナステリドデュタステリド内服、ミノキシジルの外用が多く、次点でミノキシジルを内服薬として処方するクリニックが多いです。ミノキシジルは副作用が全身の体毛が濃くなるというものもあり、発毛力の高さに期待されています。

ただ、この「ミノキシジル」は、最も初期脱毛が起きやすいAGA治療薬とされています。また、副作用についても発現の可能性が高く、症状自体も重い場合が多いのがミノキシジルの内服です。
あらかじめ血液検査などを受けて、しっかりと副作用について把握してから利用するようにしましょう。

初期脱毛にできる対策はある?

初期脱毛にできる対策はあるのかと考える方も多いでしょう。少しでも髪の毛は抜けて欲しくないものですし、初期脱毛にできる対策があれば施したいところです。

しかし、残念ながら初期脱毛はAGA治療において必要な過程なので対策はありません。そしてしなくてもよいと考えるのが筆者の考えです。

確かにしばらくの間髪の毛が薄くなってしまう方もいますし、本当に髪の毛が生えるのか不安に思う気持ちはあるでしょう。

ただし、ここまでご説明してきているように、初期脱毛はAGA治療において必要な過程ですし、初期脱毛が終わってしまえば、しっかりと髪の毛が生えてくるはずです。

強いて言うならば、生活習慣の改善などが初期脱毛にできる対策といえます。

もちろん効果は「てきめん」とまでは言いませんが、生活習慣を改善し頭皮に栄養が行きやすいような環境を整えてあげることは決して発毛においてマイナスとは言えません。

特にたんぱく質をしっかりと補給し、亜鉛をサプリメントなどで補給することは多くのクリニックでも推奨されていることです。

決して育毛や発毛においてマイナスではありませんので、ぜひ普段の生活においてタンパク質や亜鉛が足りていないと感じる方は摂取するようにしましょう。

亜鉛が豊富な食材は牡蠣や牛の赤身肉、豚のレバーなどが挙げられますが毎日の食事に気軽に取り入れられる食材ではないと思うので、サプリメントから摂取することをおすすめします。

まとめ

今回はAGA治療において高い確率で発生する「初期脱毛」という症状についてご紹介するとともに、ヘアサイクルの仕組みはAGA治療薬の作用で、ヘアサイクルが早まるということ、初期脱毛の対策があるのかなど、さまざまな角度から初期脱毛についてご紹介してきました。

発毛を目指しているのに、逆に最初の段階では髪の毛が減ってしまうというとても厄介な症状ですが、ポジティブに捉えるならば薬がしっかりと効いている証拠なので、そこはぐっととこらえて初期脱毛のできるようにしましょう。

本メディアでは初期脱毛だけでなく、AGA治療の料金の目安などについてもご紹介しています。

ぜひ他の記事も参考にして、あなたにとってぴったりなクリニックで、正しい治療法で発毛を目指してください。

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