AGAを発症する原因とは?対策方法と薄毛になるメカニズムを徹底解説

AGAは男性特有の脱毛症であり、基本的に薄毛に悩む方のほとんどはAGAの原因となっています。

しかし一般的にAGAを発症する原因や対策方法などは周知されておらず、どのように対策をしたらいいのか、そもそも自分がなぜAGAになったのかわからない方が多いと思います。

テレビなどのメディアでは薄毛を自力で改善するためにおすすめの食べ物や生活習慣などさまざまなものを取り上げていますが、AGAを発症を発症する原因はっきりしており、対策方法なども日本皮膚科学会が推奨するものがありますので、適切に治療を行うことができれば大いに改善が見込める症状なのです。

そんなAGAの対策をするためにも、しっかりとメカニズムについて確認していきましょう。

著者情報 内田純平hair-care編集部
内田 純平
30代前半の頃から薄毛に悩み、さまざまなAGAクリニックを調査しました。実際に飲み薬や育毛剤だけに限らずメソセラピーやHARG療法などの治療方法を試し、一時期は植毛まで考えました。が、無事に復活できました。その経験を活かしてAGAに悩むの皆さんのサポートをしていきたいと考えています。

AGA(男性型脱毛症)が発症する原因とは?

AGAが発症する原因は基本的に1つであり、メカニズムや年代別の発症率などについても詳しいデータが出ています。

研究の結果に基づいた説明をしていきます。

1.AGAが発症する原因は「遺伝」の影響が大きい

AGAが発症する原因は遺伝の影響が大きいです。ウイルスが原因であったり、生活習慣が悪いから発症するというわけではなく、AGAの大きな原因は遺伝です。

AGAが発症する理由は5α還元酵素の活性度と男性ホルモンレセプターの感受性です。

還元酵素の活性度は親から子へ引き継がれやすい遺伝子情報ですし、男性ホルモンレセプターの感受性も母方の家系に薄毛の方が居ると遺伝する可能性が高いと言われています。

いくら普段から生活習慣を正しても、多くの方が「髪の毛が生えるから」と勧めているわかめや辛い食べ物、亜鉛などを摂取してもAGAが発症するか否かに大きく影響を与えることはありません。

2.AGAが発症する仕組み(メカニズム)について

AGAは還元酵素とテストステロンという男性ホルモンが結合することにより、ジヒドロテストステロンという悪玉男性ホルモンが発生し、そのジヒドロテストステロンが男性ホルモンレセプターに作用して脱毛因子であるTGF-βが増加することにより起こります。

TGF-βが毛乳頭や毛母細胞に脱毛の命令を出すことで薄毛が進行してしまうのです。

そこでAGAを治療していくには還元酵素を抑制し、ジヒドロテストステロンの発生を防ぐことが大切です。

3.AGAの年代別発症率について

日本人男性の場合には20歳代後半から30歳代にかけて著明となり,徐々に進行して40歳代以後に完成される.25年前の本邦における男性型脱毛症の統計から,日本人男性の発症頻度は全年齢平均で約30%と報
2764 ● 日皮会誌:127(13),2763-2777,2017(平成29)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン作成委員会告されている8).この発症頻度は現在もほぼ同程度であり,20代で約10%,30代で20%,40代で30%,50代以降で40数%と年齢とともに高くなる9)

引用:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」より

上記に引用した文献の通りですが、日本皮膚科学会によるとAGAの発生頻度は20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%と年齢とともに高くなるとされています。

また、男性の薄毛の原因のほとんどがAGAであるとされています。

AGAの対策方法について

AGAの対策方法には大きく分けて2つあります。それぞれ詳しく確認していきましょう。

1.薬によるAGAの治療

薬によるAGAの治療

まず一つ目は薬による治療方法です。

フィナステリド、デュタステリドといった内服薬で5α還元酵素を抑制し、AGAの進行を抑制しつつミノキシジルの外用などを用いて発毛を促進していくというのが基本的な治療方法です。

ちなみに5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型が存在し、フィナステリドはⅡ型、デュタステリドはⅠ型とⅡ型に有効であるとされています。

デュタステリドは「血中半減期」という体内に薬が滞在する時間の指標となる数値がフィナステリドの約12倍であるとも言われており、その分効果も高いとされていますが、その分料金が少し高いことが多いです。

AGAクリニックによってはサプリなどを追加で処方してもらえる場合もあります。

2.生活習慣や食べ物を改善し、自力で治す方法

生活習慣や食べ物を改善し、自力で治す方法
  • 22時〜2時の間は可能な限り睡眠を取る
  • 亜鉛やビタミンをサプリで摂取するのも有効

生活習慣や食べ物を改善するというのもAGA治療において全く効果がないというわけではありません。

特に夜10時から2時の間はゴールデンタイムとも呼ばれており、成長因子が分泌され、ジヒドロテストステロンの発生を抑制するとされているのでこの時間はしっかりと睡眠をとるようにしましょう。

また亜鉛などを中心としたミネラルは髪の毛の主成分なのでしっかりと摂取することで薄毛を抑制する効果が期待できます。

しかし基本的にはAGAを生活習慣や食べ物のみで改善し、完全に治すということはできません。

薄毛の進行を抑制したり、髪の毛を太くしたりする効果は無いとは言えませんが、基本的にはAGA治療を受けるのが正攻法となります。

薬を使った治療によるAGAの対策方法を解説

ここからは薬を使って治療によるAGAの対策方法について解説していきます。

大きく分けて3つのポイントがありますが、それぞれ重要なポイントなのでしっかりと確認していきましょう。

1.使われている薬は決まっている

AGAの治療薬は、使われる薬が決まっているということを理解しておきましょう。

AGAの進行を抑制する薬はプロペシア、プロペシアのジェネリックであるフィナステリド、ザガーロとザガーロのジェネリックであるデュタステリドの4種類です。

発毛を促進する薬はミノキシジルが用いられることがほとんどです。

フィナステリドとデュタステリド、そしてミノキシジルの外用薬としての利用は日本皮膚科学会の論文でも使用を推奨されるほどAGAの治療方法として主流のものですし、実験により効果があると実証されているものです。

2.治療プランは「予防」と「発毛」の2コースに分別される

治療プランは予防と発毛の2つのコースに分類されることがほとんどです。

予防のコースはフィナステリド、またはデュタステリドのみを用いるので3,000円から5,000円程度、発毛コースはこれに加えてミノキシジルの外用薬を用いることが多いので8,000円から15,000円程度と考えておけば良いでしょう。

フィナステリドやデュタステリドは還元酵素を抑制する効果があります。

先ほども軽くご説明しましたがAGAの原因となるジヒドロテストステロンは男性ホルモンであるテストステロンと還元酵素が結びつくことにより発生します。

この還元酵素にはⅠ型とⅡ型があるのですがフィナステリドがⅡ型、デュタステリドはⅠ型とⅡ型両方に作用するので脱毛を抑制する効果があるとされています。

発毛コースはそれに加えてミノキシジルを用いて発毛も目指していきます。

ミノキシジルを外用薬として利用すると発毛や髪の成長を促進する作用があるとされており、頭皮に直接塗布することで毛母細胞が刺激され細胞分裂が活発になります。

特に頭頂部や前頭部薄毛に対して高い効果を発揮するとされており、血行を促進する効果も期待できるので、摂取したミネラルなどの栄養素がきちんと頭皮に行き渡り、太く強い髪を育てる効果も期待できます。

3.薬以外に「自毛植毛」という治療方法もある

薬を使った治療によるAGAの対策方法
  • AGAの影響を受けていない毛を植え替える
  • 予算は高い
  • 長期的に見て効果的

薬以外にも自毛植毛という治療方法もあります。

自毛植毛はその名の通り自らの髪の毛を植え替える治療方法であり、後頭部や側頭部などのAGAの影響を受けていない部分の髪を細胞ごと植え替えます。

即効性がある治療方法ではありませんが、一度定着するとAGAの影響を受けていない部分の髪の毛が半永久的に生え変わり続けるので、長期的に見ると非常に効果的な治療方法であるといえます。

費用は250,000円から800,000円程度であるとされており、決して安いとは言えない料金ですが、薬を飲み続けるのが怖いという方や多少予算がかかってもいいからAGAの影響を受けていない髪の毛を植え替えてしまいたいという方は利用をおすすめします。

生活習慣の改善によるAGAの対策方法を解説

生活習慣の改善だけで髪の毛が生えると考えにくく、薬を使った治療との併用がおすすめですが、生活習慣の改善によってAGAの対策をすることは不可能ではありません。

抜本的な解決とまではいきませんが、AGA治療と併用することにより治療の効果をより高めることが期待できるので、生活習慣や摂取している食べ物のバランスに自信がないという方は下記の2つのポイントを意識してみてはいかがでしょうか。

1.生活習慣による改善

まずは生活習慣を改善する方法です。

先ほど夜の22時から午前2までの間は睡眠をとることが大切であると説明しましたが、それに加えてストレスを減らしたりタバコの量を減らすことも大切です。

タバコは交感神経を刺激させてしまい、頭皮の血管の収縮を促進するので、血行不良になり栄養が行き渡りづらくなります。

ジヒドロテストステロンが増加するという研究結果もあり、タバコはAGAの天敵とも言えます。

また、よく「過度なストレスは薄毛の原因になり得る」という話を聞かもしれませんがこれはあながち間違いではなくのです。

過度なストレスは自律神経を乱し、ホルモンバランスを崩すことから抜け毛を促す可能性もあります。

ストレスを改善することはQOLの向上にもつながりますし、確実に健康効果があるので日々の生活においてストレスの原因となり得るもので排除できるものがあれば可能な限り対処してみましょう。

2.食べ物(サプリ)による改善

食事を改善するというのもAGA治療において大切なことです。

肉や魚、卵などに含まれるタンパク質は髪の毛の成長を促しますし、ビタミンを摂取することで血流を促進したり頭皮環境を整えることができます。さらに育毛に良いとされる亜鉛を摂取することでアミノ酸をケラチンに変えることができ、髪の毛を生成できます。

亜鉛には還元酵素を抑制する効果もあるとされており、多くのクリニックでも摂取を勧められる栄養成分です。

タンパク質は肉や魚などを食べれば十分に摂取することができますし、最近では安くおいしいプロテインなども売っているので、タンパク質を確保することはあまり難しくありません。

しかし普段からあまり野菜を食べない、ビタミンを摂らないという方は多いでしょうし、亜鉛はレバーや牡蠣、パルメザンチーズなどに含まれており、毎日食べる食材とは言えません。

そこでビタミンや亜鉛を十分に摂取できていないという方は食事で無理に摂取しようとするのではなく、サプリメントで摂取することをおすすめします。

サプリメントを摂取する際に気をつけたいポイントなのですが、ビタミンには水溶性のものが多く、一度に摂取してしまっても排泄により排出されてしまいます。

マルチビタミンなどのサプリは1日の摂取量として推奨されている量を1日のうち少なくとも2回に分けて摂取することでより吸収効率が上がるとされています。

AGA対策を始める際に知っておきたいポイント

午後からはAGA対策を始める際に知っておきたいポイントについても確認しておきます。

大きく分けて4つのポイントがあるのですが、それぞれ重要なポイントなので一緒に詳しく確認していきましょう。

1.症状が薄い内に対策を行うべき

まずは症状が薄いうちに対策を行うべきということです。

「薄毛がそこまで進行していない」「自分はまだ若いから大丈夫」「少し抜け毛が増えただけだから大丈夫」という方も多いです。

しかしそこで治療を始めることができれば、長い目で考えるとかなり予算を抑えることができますし、そもそも抜け始める前に対策をすることで、ずっと薄毛に悩まされずに過ごすことができます。

AGA治療の費用についての部分で軽くご紹介しましたが、AGAを予防するだけの治療とAGを予防し発毛を目指す治療では服用しなければいけない薬の量も違いますし、何より予算が大きく異なります。

髪の毛が抜けてしまってから毎月10,000円以上かかる治療を行うよりも、髪の毛が抜ける前から対策を始め、月3,000円で2種類の飲み薬のみを用いて予防しておく方が予算面・健康面のどちらから見ても良いです。

予算面で考えても対策をしておくことで安く済みますし、何よりAGA治療の薬は副作用が発生する場合もあるので、可能な限り副作用の可能性を下げるためにも薬の種類を減らすことは非常に大切となってきます。

2.治療は長期間に渡って継続する必要がある

AGA治療薬は1ヶ月、2ヶ月で効果があるものではありません。

どれだけ早い方でも3ヶ月程度は効果を実感するまでに時間がかかりますし、むしろ治療薬を用いてヘアサイクルを整えるために初期の段階では細くて短い髪が抜ける初期脱毛という症状が発生するので髪の毛が減ります。

中には半年程度で目標としていた程度にまで発毛をすることができる方も居ますが、一方で1年経ってもほぼ効果を実感できないという方居ます。

AGAは長い目で続けていく治療なので、焦らずゆっくりと続けていきましょう。

AGAは進行性の病気であり、完治という概念が存在しません。

つまりいくら積極的に発毛を目指すプランを数年間にわたって利用して、AGAの治療を受けていたとは思えないほど髪の毛が増えてきたとしても、発毛を促進するミノキシジルだけでなく抜け毛を抑制するフィナステリドやデュタステリドまで完全に止めてしまっては再び髪の毛が抜け始めてしまい、元の状態に戻ってしまうということも考えられます。

目標の量まで発毛できたら、AGAの進行を抑制するプランに切り替えるなど工夫し、長い目で治療を続けていきましょう。

3.20歳未満は治療薬の利用を推奨されていない

20歳未満の治療薬の利用を推奨されていないということも考慮に入れておいた方がよいでしょう。

ほとんどのAGAクリニックは18歳未満、または20歳未満の方は治療を受けることができません。

そこで治療薬を購入するために個人で購入するという方も居ます。しかし20歳未満の方に治療が推奨されていないのは成長過程にある身体に影響を与える可能性があるからであり、診察を受けずに自己判断で治療を始めてしまうと副作用に悩まされたりすることもあります。

必ずしっかりと医師の指導のもと治療を受けてください。

どうしても20歳未満中でAGA治療を受けたいという方はクリニックフォアの利用がおすすめです。

未成年の方でもAGA治療薬は使っていただくことが可能です。クリニックフォアでは、未成年の方でも15歳以上であればオンライン診療、お薬の処方は可能です。ただし、15歳以上18歳未満の方は、保護者様の同席あるいは、保護者様に電話確認をさせていただいております。

引用:「クリニックフォア」公式サイトより

4.治療には費用がかかるので、薄毛と向き合う事も考慮しよう

治療には費用がかかるので、薄毛と向き合うことを考慮することも大切です。

何度もご説明してきているようにAGA治療は月3,000円から15,000円程度かかり、それを数年から数十年間にわたって続けていく必要があります。

AGAの発症率は年齢とともに上がっていき、50代以上の方の場合4数%にも上ります。

つまり50代以上の方はおよそ半数の方が薄毛に悩んでいることであり、珍しいことではありません。

そこまで予算はかけられないという方は薄毛が気にならない髪型に変えてみたり、ウィッグを利用したりなどしてみるのも選択肢のひとつです。

まとめ

今回はAGAが発症する原因や対策方法、薄毛になるメカニズムについてご説明してきました。

男性の薄毛の原因のほとんどがAGAであり、年齢を重ねるにつれて発症率は高くなっていきます。

巷ではさまざまな薄毛の治療方法が紹介されていますが、基本的に医学的に根拠があるものは日本皮膚科学会の論文で効果が立証されているフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの外用薬のみであり、適切な治療を行うことでAGAを改善することができます。

予算や副作用の心配などさまざまな注意点がありますが、本気で薄毛を改善したいと思う方は一度無料のカウンセリングなどを利用してみても良いのではないでしょうか。