AGA治療は50代からでも可能？治療の流れと注意すべきポイントを解説

50代で薄毛に悩む方の多くが、「もう自分は年だから、治療をしても意味がない」と考えているのではないでしょうか。

ある程度年齢を重ねてくると、若い頃と比べると身体が思うように動かなかったり、疲れが取れにくくなってくる方も多いです。それも相まって、薄毛が進行してしまっていると考えるのが一般的な考え方かもしれません。

しかし、実はAGAと年齢はそこまで関係ありません。むしろ、あなたより若くてもあなたより髪の毛が薄い人を見かけたこともあるのではないでしょうか。

もちろんAGAは進行性の病気なので、全く同じような条件下にある場合、年齢を重ねるにつれて髪の毛が減ることは多いはずです。

しかしそれは「50代だから治療しても意味がない」ということにはなりません。

しっかりとした対策をすることで、50代の方でも発毛を実感することが出来ますし、発毛を目指していけるので、ぜひ本記事を参考に一緒に発毛を目指していきましょう。

hair-care編集部
内田 純平
30代前半の頃から薄毛に悩み、さまざまなAGAクリニックを調査しました。実際に飲み薬や育毛剤だけに限らずメソセラピーやHARG療法などの治療方法を試し、一時期は植毛まで考えました。が、無事に復活できました。その経験を活かしてAGAに悩むの皆さんのサポートをしていきたいと考えています。

50代でもAGA治療は可能

結論として、50代の方でもAGAの治療は可能です。50代の薄毛はAGAの可能性が高いですが、何歳からでも治療は可能です。

人間には「ヘアサイクル」というものがあり、ヘアサイクルは髪の毛が伸びる「成長期」と髪の毛の成長が止まる「退行期」、そして髪の毛が抜けるのを待つだけの「休止期」に分けられますが、それが一生のうちで何回繰り返されるかは人によって遺伝などの理由により決まっています。

若くても髪の毛が薄い方もいますし、あなたより年齢が上の場合でも髪の毛がふさふさの方もいることはご存知でしょう。

つまり、このヘアサイクルを治療によって整えることで50代の方でもAGAの治療は可能なのです。

ただ、50代の方の場合、AGAが比較的進行しているケースが多く、積極的に発毛が期待できる治療も併せて利用していく必要がある場合がほとんどです。

まだ「少し薄毛が気になる」「抜け毛が増えてきた」という段階ならば、予防するための薬であるフィナステリドやデュタステリドといった治療方法だけでなんとかなる場合もありますが、髪の毛を積極的に生やしていく場合はミノキシジルの内服や外用なども利用する必要があります。

しかし残念なことにフィナステリドやデュタステリドと異なり、ミノキシジルの内服薬は日本皮膚科学会でも推奨はされておらず、副作用の発現性も高いとされていることから、必ずしも「利用した方が良い」とはおすすめできないのが実情です。

ミノキシジルは降圧剤として開発されたが本邦では認可されていない．また，男性型脱毛症に対する治療薬としても認可されている国はない．それにもかかわらず，全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠に，医師が安易に処方したり，一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので，医薬品医療機器等法の観点から問題視されている．多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は少なく，内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に，胸痛，心拍数増加，動悸，息切れ，呼吸困難，うっ血性心不全，むくみや体重増加などの重大な心血管系障害が生じるとの記載がある．以上のように，ミノキシジルの内服療法は，利益と危険性が十分に検証されていないため，男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められる．

引用：日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」より

そこで特に50代の方にオススメしたいのが、AGAクリニックなどで通院しつつ、医師と相談しながら治療を進めることです。

特に血液検査を利用することで薬が身体に合っているか、副作用が起こりやすいかどうかなども確認することができるので、ぜひ利用するようにしましょう。

ほかにもしっかり検査を色々と受けた上で自身のAGAの進行度合いについて確認し、どのような治療を行った方が良いか、そしてミノキシジルなどの副作用は起こるのかなどの確認しておく必要があります。

クリニックによっては、もし副作用が発生した場合に迅速に対応してくれると公式サイトに明記しているものもありますし、副作用が発現した結果、別のAGAと関係のない疾患が見つかり、治療の必要があると医師が判断した場合は無料で紹介状を書いてくれたりするクリニックもあります。

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こちらは50代でAGA治療を受けている方ですが、6ヶ月でかなり毛量が増え、すっかり薄毛が気にならなくなっています。

50代の方でも、正しいアプローチで治療を行えば確かな発毛を実感できるのです。

50代からAGA治療をする際の流れ

50代の方がAGA治療をする際の流れについても確認しておきましょう。

基本的に50代の方でも20代の方でもAGA治療する際の流れは変わりませんが、しっかりと確認しておくことで不安点を解消しておきましょう。

1．頭髪の状況を確認してもらう

まずは頭皮の状態を確認してもらうことからスタートです。

多くの方の薄毛の原因はAGAですが、稀にAGA以外の理由で薄毛が進行している場合もあります。

円形脱毛症などは基本的にストレス性疾患などが原因ですし、その他さまざまな薄毛の病気も存在するので、まずは自分がAGAかどうかをしっかりと確認していきます。

AGAであることが確認できたら、マイクロスコープなどを用いてしっかりと自分の頭皮の状態について確認してもらいましょう。

また、AGAにはさまざまな分類があり、自分がどのタイプのAGAかを判断してもらうことでより適した治療を受けられるので、しっかりと頭髪の状態を確認してもらうことは大切です。

2．治療方針を決定する

続いて治療方針を決定します。

AGAクリニックの治療プランは大きく分けると予防と発毛の2プランがあり、50代の方の場合は比較的薄毛が進行していることが多いので、ミノキシジルの外用や内服なども併せて利用する、発毛プランの治療がおすすめです。

しかし人によっては「そこまで薄毛自体は気になっていないので、これ以上進行しなければ良い」という方もいると思います。

そういった方の場合は料金も安くなりますし、副作用の発現の可能性が低いフィナステリドやデュタステリドの内服を利用するだけのプランもおすすめです。

3．開始してから10日～2ヶ月程度で初期脱毛が起こる

治療を開始してから10日から2か月程度で初期脱毛というものが発生します。

髪の毛のヘアサイクルを整える際、まず以前生えていた細い・短い髪の毛が抜け落ちます。そこから強く新しい髪の毛へと生え変わっていきます。この時、抜ける量がそこそこ多いため、不安になってしまう方も多いです。

これはAGA治療において必要なプロセスであり、最初の段階で髪の毛が減る量が増えてしまうのは少し心配かもしれませんが、薬が効いている証拠ですので安心して治療を続けるようにしましょう。

4．早いと3ヶ月、だいたい半年～1年ぐらいで発毛が実感できる

初期脱毛が終わると、早い方では3か月、平均してだいたい半年から1年ぐらいで発毛を実感できる方が多いです。

ヘアサイクルが整い、太くてしっかりとした髪の毛が生えてくるようになります。しっかりと髪の毛を生やしていくためにはここで治療をやめず、しっかりと発毛を目指していくことが大切です。

薄毛の原因は毛量だけでなく、髪の太さにもあります。ある程度髪の毛が生え揃っていても、細い髪では密度が少なく、薄く見えてしまいます。

そこで毛量と髪の太さやコシも改善していくことで、更なる効果が期待できます。

5．満足いくまで発毛したら減薬し、予防プランへ切り替えて継続する

AGA治療の効果がしっかりと出て、満足いくまで発毛できたら減薬をして、予防プランへ切り替えていくことが必要です。

この「減薬」というのが非常に大切なポイントで、完全に治療をやめてしまうことはおすすめしません。

なぜならばAGAは進行性の病気であり、「完治」という概念が存在しないからです。

しかし、完全に今まで通りのプランを利用しなければいけないというわけでありません。

ここまでご紹介してきてるように、フィナステリドやデュタステリドはAGAの進行を抑えるのがメインの役割で、ミノキシジルの内服や外用は基本的に発毛を促進するのがメインの役割です。

つまりミノキシジルの利用は減薬または中断しつつ、フィナステリドやデュタステリドの量はとりあえずそのまま、というのは多くのAGAクリニックの治療方法です。

まずミノキシジルを減らしたり中断して、特に影響がなかった場合は続いてフィナステリドやデュタステリドの量も、場合によっては減らすこともあります。

そして、薬の量を減らして様子を見つつ、長い目で続けていくのがAGA治療なのです。

50代のAGA治療をする際に気を付けるべきポイント

50代の方がAGA治療をするときに気をつけるべきポイントは大きく分けて3つあります。

年齢よりも進行度が重要であるという点、身体が弱い方は副作用に注意しなければならないという点、治療を中断すると薄毛が再発するということ点です。

それぞれ詳しくご紹介していきますので、一緒に確認していきましょう。

1．AGAの治療は年齢よりも進行度が重要

まず、AGAの治療は年齢よりも進行度が重要であるということです。

これは冒頭でも軽くご紹介しましたが、確かに50代の方がAGAを発症している場合、発症から長い期間が経っている可能性が高いので、薄毛が進行している場合が多いように感じられます。

しかし、20代や30代の方でも髪の毛がだいぶ薄い方や、一方で60代、70代でも髪の毛がふさふさの方も多いと思います。

それは薄毛には「AGAがどれくらい進行しているか」が大きく影響しているからです。

AGAは進行性の病気なので、年齢などは関係なく、正しい方法で治療することが大切なのです。

2．身体が弱い方は副作用に注意｜特にミノキシジルの内服

残念ながらAGA治療の薬であるフィナステリドやデュタステリド、特にミノキシジルの内服には副作用が発生する可能性があります。

AGA治療薬の副作用には多毛症や息切れ、性欲減退や勃起不全などが挙げられますが、特にミノキシジルの内服は副作用の発現率が高いとされており、日本皮膚科学会では利用自体を推奨されていない治療方法でもあります。

しかし多くのAGAクリニックでは高い発毛性が期待できるということから処方されており、発毛を実感できている方が多いのも事実です。

よってミノキシジルの内服を利用する場合は特に注意が必要ですし、あらかじめ必ず血液検査などを受けて薬への身体の体制を調べておくことも必要となるでしょう。

3．AGA治療を中断すると薄毛が再発するので注意

AGA治療は基本的にずっと続けなければならないものです。

これは本記事でも何度もご紹介しているのですが、AGAは進行性の病気であり、完治という概念が存在しません。

もし髪の毛が生えてきたとしても、完全に治療をやめるということはせず、発毛を促進するための薬のみを減薬し、AGAの進行を抑制するための薬であるフィナステリドやデュタステリドは変わらず使用するか、減薬しつつ様子を見るという方法が最も適切なAGA治療の方法であるとされています。

薄毛の原因がAGA（男性型脱毛症）以外のケースもあるので注意

全ての方の薄毛の原因がAGAであるとは限りません。

AGA以外の脱毛症には、まず脂漏性脱毛症というものが挙げられます。

脂漏性脱毛症は皮膚の病気が原因で起こる脱毛症であり、30代や40代に多い病気です。

遺伝や皮脂を過剰に分泌する環境要因、精神的ストレスなどが原因だと考えられています。

また皮膚に滞在している「マラセチア」というカビの一種が発症に関わっているとの説もあり、マラセチアは脂線から分泌される皮脂を栄養源としているので、皮脂の量が多くなるとマラセチアも数が増えます。

脂漏性脱毛症の方は頭皮が赤くなったり、細い剥がれた皮膚であるフケが付着し始めたりする場合が多いので、これらの症状が当てはまる方は脂漏性脱毛症の可能性があります。

円形や楕円形での脱毛が徐々にでなく突然現れるのもAGAではない可能性があります。

これは円形脱毛症と呼ばれ、頭だけでなく体毛や眉毛、まつ毛に発生する場合もあります。

免疫系の機能に異常が生じた場合に起こるもので、自己免疫疾患が原因と言われており、特にアトピー性疾患を患っている方に多いとされています。

まとめ

今回は50代の方向けのAGA治療についてご紹介しました。

「自分はもう若くないから」と発毛を諦めている方も多いかもしれませんが、AGAには年齢はあまり関係ありません。

正しい方法で治療を行えば、発毛を実感でき、諦めていたヘアスタイルなど、おしゃれを楽しめるようになります。

50代はまだまだ薄毛を諦めるには早すぎる年齢です。

ぜひAGA治療を受けて、発毛を実感してください。