30代の方で薄毛が気になってきたり、抜け毛の数が多くなってきたという方は少なくありません。
日本皮膚科学会の発表によると30代の方は約20%がAGAを発症しているとされており、薄毛が気になっている方は珍しくなく、しっかりとAGA治療を始める必要がある方も多いです。
「自分はかなり髪の毛が抜けてしまったし、今更治療を始めても仕方がない」と思っている方や、逆に「まだ少し抜け毛が増えただけだから、自分にAGA治療なんて関係ない」と思っている方もいるかもしれません。
しかしAGA治療を始めるにあたって遅すぎるということはありませんし、逆に早すぎるということもありません。
気づいた段階からしっかりと治療を始めることが最も大切なので、今回は30代の方がAGAを発症する原因や発症している方の症例、治療方法や費用、治療を行う上で抑えておきたいポイントなどについて解説していきます。
内田 純平
30代前半の頃から薄毛に悩み、さまざまなAGAクリニックを調査しました。実際に飲み薬や育毛剤だけに限らずメソセラピーやHARG療法などの治療方法を試し、一時期は植毛まで考えました。が、無事に復活できました。その経験を活かしてAGAに悩むの皆さんのサポートをしていきたいと考えています。
30代の薄毛の原因で多い「AGA」について
30代の方が薄毛になる原因のほとんどはAGAです。
AGAは進行性の病気であり、完治という概念は存在しませんが、治療することで薄毛対策、発毛促進はできるので、AGAについての知識をしっかりとまとめておきましょう。
AGAとは?原因やメカニズムについて
まずAGAとは男性型脱毛症と呼ばれる、髪の毛が抜ける進行性の病気であり、遺伝が原因で発生します。
「頭皮マッサージや、亜鉛をはじめとしたミネラルやビタミンなどの摂取で薄毛は対策できる」という意見も多く見られますが、AGAの原因は遺伝であり、根本的な解決を目指すには薬を用いて治療しなければなりません。
男性ホルモンであるテストステロンと5α還元酵素が結びつくことで「ジヒドロテストステロン」という悪玉の男性ホルモンが発生します。
そしてそのジヒドロテストステロンが前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体に結合し、TGF-βという脱毛因子を増やしてしまうのです。
つまりジヒドロテストステロンが発生しなければAGAを食い止めることができるので、5α還元酵素を抑制するためにフィナステリドやデュタステリドを用いることがAGA治療の基本的な方法になります。
30代男性のAGA発症率について
日本人男性の場合には20歳代後半から30歳代にかけて著明となり,徐々に進行して40歳代以後に完成される.25年前の本邦における男性型脱毛症の統計から,日本人男性の発症頻度は全年齢平均で約30%と報2764 ● 日皮会誌:127(13),2763-2777,2017(平成29)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン作成委員会告されている8).この発症頻度は現在もほぼ同程度であり,20代で約10%,30代で20%,40代で30%,50代以降で40数%と年齢とともに高くなる
引用:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」より
30代の方のAGAの発症率については冒頭でも軽くご紹介しましたが、日本皮膚科学会の発表によるとおよそ20%程度となっています。
5人に1人が発症している計算になりますので、30代の方で「薄毛が気になる」「抜け毛が増えてきた」という方はほぼAGAであると考えておいた方が良いでしょう。
ヘルメットの長時間にわたる着用による圧迫が原因で起こる「圧迫性脱毛症」、自己免疫疾患が原因であるとされている「円形脱毛症」、ストレスが原因の「神経性脱毛症」、マラセチアという真菌が原因とされる「脂漏性脱毛症」など脱毛症にはさまざまな種類があります。しかし、基本的に男性の薄毛の原因はAGAです。
自分がAGAかどうかわからない、という人はクリニックで診察を受けましょう。最も確実かつ早い解決法です。
30代男性でAGAを発症している方の症例・治療例を紹介
30代でAGAを発症している方の症例や治療例についてご紹介していきます。
前者の方は頭頂部の薄毛が気になる状態でしたが、5ヶ月後にはすっかり生えそろっていますし、後者の方も治療前は前頭部の薄毛が気になる状態でしたが、5ヶ月でかなりの効果が実感できています。
このようにAGA治療は正しい方法で行えばかなり高い確率で効果が出るものですし、「自分はもう髪の毛が薄くなってしまったから手遅れだ」という方悲観せずに治療すれば発毛できる可能性は高いです。
逆に「自分はまだまだ抜け毛が多いだけだから、対策なんてしなくても良い」と思う方もしっかりと早い段階から対策を行った方が良いです。
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30代からのAGA治療はもう遅い?治るの?
「30代からのAGA治療はもう遅い」と言う方が多いですが…、
基本的にAGA治療を始めるにあたって遅すぎるということは全くありません。
30代の方で「かなり薄毛が気になる」「誰から見ても薄毛である」という状態の方は少なくありませんが、30代の方でも「毛根が完全に死んでしまっている」という方はあまりいません。
髪の毛は毛母細胞が活動することで生えるので、毛母細胞さえ生きていれば髪の毛は再び生えてきます。毛母細胞はおよそ40回と言われるヘアサイクルを終えるか、頭部を縫わなければならないほどの大怪我や大火傷を負わない限り死滅しないので、多くの方に希望があります。
AGAの治療は毛根が完全に死んでしまっている場合は意味がないのですが、ただ薄毛が進行しているだけ、という状態ならば時間こそかかるものの髪の毛が生えてくる可能性は高いです。
しっかりと治療を行い、発毛を目指していきましょう。
30代からでもできるAGAの治療方法と費用を解説
ここからは30代からでもできるAGAの治療方法と費用についてご紹介していきます。
AGAの治療方法は大きく分けて3種類あり、費用や目的などは大きく異なるので、それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.AGAを「予防」するための治療
使用する薬 | フィナステリド、デュタステリド |
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費用の目安 | 3,000円〜5,000円/月 |
まずはAGAを予防するための治療方法です。
使用する薬は基本的に内服薬のフィナステリド、デュタステリドがメインとなっており、費用の目安は3,000円から5,000円程度となっております。
AGAを予防するだけなので、発毛を促進する効果のあるミノキシジルなどを用いることはなく、その分料金が安くなっていることが多いです。
2.AGAを予防しつつ「発毛」も目指す治療
使用する薬 | フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル外用、ミノキシジル内服 |
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費用の目安 | 8,000円〜15,000円/月 |
続いてAGAを予防しつつ発毛を目指す治療、つまり進行を食い止めつつ、髪の毛も生やしていくという治療方法になります。
これは先程ご紹介したフィナステリドやデュタステリドを用いつつ、ミノキシジルの外用も利用します。
ミノキシジル外用は日本皮膚科学会でも推奨されている発毛を目的とした治療薬であり、毛母細胞の細胞分裂を促進することで頭頂部や前頭部の薄毛に対して高い効果を発揮するということが認められています。
3.自毛植毛による治療
費用の目安 | 250,000円〜800,000円/回 |
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そして自毛植毛による治療方法です。
自毛植毛は文字通り自らの髪の毛を植毛する治療方法であり、後頭部や側頭部などのAGAの影響を受けていない部分から細胞ごと移植する治療方法になります。
植え替えた髪の毛が安定すればヘアサイクルも正常になりますし、AGAの影響を受けていないものなので半永久的に生え変わり続ける髪の毛になります。
自身の髪の毛を植え替えるので髪の毛の色合いなどの差もなく、自然な仕上がりになります。拒否反応も起こりづらく、定着しやすいのが自毛植毛の大きな特徴です。
料金は250,000円〜800,000円程度と非常に高いですが、分割で支払うことも可能ですし、クリニックによってはモニターに参加することでお得に治療できる場合もありますので、モニターの利用も検討してみてはいかがでしょうか。
30代から行うAGA治療で抑えておきたいポイント
30代から行うAGA治療において押さえておきたいポイントは大きく分けて4つあります。
それぞれ重要なポイントでAGA治療を受ける際には是非とも覚えておきたいことなので、しっかりと確認していきましょう。
Point1.治療費の目安は毎月3,000円~15,000円
まずは治療費の目安が3,000円から15,000円であるということです。
料金については先ほども簡単にはご紹介していますが、AGA治療というものはどれだけ短くても数年間、長い方は数十年間にわたって続けていく必要のある治療方法です。
何度もご説明しているようにAGAは進行性の病気であり、完治という概念はありません。
つまりこの3,000円から15,000円程度の料金を毎月、数年間から数十年間にわたって払い続けていく必要があるので、自身が長い間続けられるかどうか計算した上で治療を始めるようにしましょう。
いくら髪の毛が生えそろい、「もう治療は辞めても大丈夫」と自身で判断した場合でも治療を「完全に」止めてしまっては再び髪の毛は減ってしまいます。
Point2.発毛効果が実感できるまで半年程度は必要
発毛効果が実感できるまで半年程度はかかるということも覚えておいてください。
AGAはどれだけ早くとも効果を実感できるまでに3ヶ月程度はかかるとされており、平均して半年程度はかかるとされています。
人によってはそれ以上かかる場合もありますし、かなり個人差が大きいです。
そこで1ヶ月目、2ヶ月目で効果が実感できなくても焦らないようにしましょう。
確かに1年以上経っても効果が実感できない場合は治療を見直した方が良いかもしれませんが、適宜医師と相談しつつ治療内容について確認していきましょう。
Point3.治療を中断してしまうと再び薄くなる可能性が高い
治療を中断してしまうと再び薄くなる可能性が高いということも覚えておきましょう。
AGAはここまで何度もご紹介しているように進行性の病気であり、完治という概念は存在しません。
つまりどれだけ髪の毛が生えそろい、いわゆる「フサフサ」と呼べるような状態になったとしても治療を完全に止めてしまっては再び髪の毛が抜ける可能性が非常に高いです。
AGAはある意味生涯付き合っていくべき病気とも言えます。
そこで筆者がおすすめしたいのは、髪の毛がある程度生えそろった場合はフィナステリドやデュタステリドなどの「AGAの進行を食い止める内服薬だけを利用する」という治療方法です。
ミノキシジルの外用薬など発毛を促進するタイプの薬は髪の毛が生え揃ってからは必要はありません。しかし再び髪の毛が薄くなっていくことを食い止めるためにも内服薬でジヒドロテストステロンを抑制し、AGAをくいとめておくのです。
内服薬のみの治療の場合毎月3,000円から5,000円程度で行うことができます。
外用薬も用いた場合は8,000円から15,000円程度かかるのが一般的とされているので、長期間にわたって治療を続けていくことが必要なAGAであることを考えると、予防プランに切り替えるだけでもかなり予算を浮かせることができます。
Point4.AGA治療薬の副作用に注意
AGA治療の副作用には注意しておきましょう。
性機能障害については相対危険度が1.39(95%CI,0.99~1.95)とフィナステリド投与群がプラセボ群より上昇する傾向があるとしている29).
デュタステリドの副作用に関して,前述の国際臨床試験において37),有害事象頻度はリビドー減少3.3%,インポテンツ5.4%,射精障害3.3%,韓国の712例,平均観察期間204.7日の市販後調査39)では,リビドー減少1.3%,インポテンツ1%,射精障害0.1%であった.他方,前述の国内非ランダム化試験(120例,52週間)38)では,リビドー減少8.3%,インポテンツ11.7%,射精障害5.0%と比較的高率であった38).以上より,投与にあたっては添付文書の記載をよく読んだ上で,性機能障害を含めた副作用についても十分な説明と同意が必要である.
ミノキシジルの有害事象として,男女を通して瘙痒,紅斑,落屑,毛包炎,接触皮膚炎,顔面の多毛などが報告されている.2%および5%ミノキシジル液を比較した,393名の男性被験者を対象とした,観察期間48週までのランダム化比較試験では50),瘙痒,接触皮膚炎といった皮膚症状の出現率は5%ミノキシジル群で6%と,2%ミノキシジル群(2%),プラセボ群(3%)より高かった.
引用:日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」より
これらはいずれも日本皮膚科学会が発表している、AGA治療において利用を推奨するとしている薬であるフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル外用の副作用です。
AGA治療には一定の確率で副作用が発生しますので、それぞれの副作用について理解した上で治療を受けるようにしましょう。
また薬が身体に合っているかどうかについては血液検査で確認することも多いので、対面で治療を受けるという方はぜひ血液検査を初診の段階で受けておくことをおすすめします。
Point5.AGAはオンライン治療対応のクリニックも多い
最近ではAGAの治療をオンラインで行うことのできるクリニックもかなり多くなっています。
予約から診察、薬の処方や支払いまですべてオンラインで完結するので、家をなかなか空けられないという方やクリニックに通う途中で知り合いに会ってAGA治療を受けていることを知られたくないという方でも気軽に利用できます。
クリニックによっては一眼ではAGA治療薬とわからないように包装して配送してくれるところもあり、家族に知られることもありません。
また、オンラインでの治療の場合、基本的に予約した時間にビデオ通話に参加するだけで診察を受けることができますし、移動時間がかからないのはもちろんのこと待ち時間もほとんどないので、時間を有意義に使うことができます。
特にオンラインでのAGA治療をメインとしている、もしくは完全にオンラインでのみAGA治療を提供しているクリニックの場合、クリニックの運営費や人件費がかからない分料金が安くなっていることが多いです。
もちろん「予算は全く気にしないから一刻も早く発毛を実感したい」という方の場合は対面で自毛植毛やメソセラピーなどを利用するのは悪くないかもしれませんが、基本的にはオンラインでも特に問題はありません。
また、オンラインで治療を始めて、経過に心配を覚えた場合はクリニックに来院し、マイクロスコープ検査などで頭皮の状態を詳しく確認してもらうという方法もあります。
料金を抑えつつAGA治療を受けたいという方はオンライン専門のクリニックを利用することをおすすめします。
まとめ
今回は30代の方がAGA治療を受けるにあたって必要な知識についてご紹介しました。
AGAは残念ながら進行性の病気なので長きにわたって治療を続ける必要があります。しかし早い段階で治療を始めた場合は予算を抑えることができますし、薄毛がかなり進行している方でも遅すぎるということは決してありません。
男性が薄毛になる原因のほとんどはAGAであり、世の中にはさまざまな薄毛対策が提唱されていますが、最も発毛できる可能性が高く、スタンダードな治療方法はAGA専門のクリニックで治療を受けることです。
信頼できるクリニックに通い、正しい方法で治療を行えば高い確率で発毛が実感できるはずですので、ぜひ本記事を参考に治療を始めてみてください。
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